オイル漏れでも車検に通る?原因・対処法を解説
オイル漏れは、車に長年乗っていると起こりがちなトラブルの一つです。軽いオイル漏れの場合は簡単に自分で直すこともできますが、車検のときにオイル漏れが発覚した場合、車検に不合格になる可能性があります。
ここでは、オイル漏れが起きたときの対処法や意外と知られていない罰則、オイル漏れで車検に通らない理由などについて解説します。
1.オイル漏れでも車検に通る?
オイル漏れの場合は安全性に問題があるうえ、保安基準に基づいて作成された検査項目にも引っかかってしまうため、検査官に指摘された場合は不合格となります。
オイル漏れのチェックは車検項目の一つで、検査官によるエンジンルームや下廻りの目視チェックで確認されます。エンジンルームはボンネットを開けて、下廻りは検査場で車を高くまで持ち上げ、検査官が下からドレンプラグ付近などを中心にオイルの滲み・漏れがないかを調べます。
エンジンルームはボンネットを開ければ確認できますが、下廻りからの少量の漏れは通常時では気付きにくいため、車検時に指摘されて気付くという方も多いようです。
2.オイル漏れが発生する原因
オイル漏れとは、エンジンオイルがどこからか漏れてしまっている現象です。エンジンオイルはエンジン内の潤滑油で、エンジンの冷却や防錆・腐敗防止といった効果もあります。
オイル漏れが起きる主な箇所や原因を知っておくと、日頃からオイル漏れしていないか点検でき、オイル漏れによる被害を最小限に抑えられます。ここでは、オイル漏れ原因となる主な5つの原因を紹介します。
原因①ガスケットの劣化
2つ目の原因はガスケットの劣化です。バルブシールと同じように、ガスケットも部品と部品の隙間を埋めるシールの一部です。ガスケットが劣化すると、オイル漏れが起きてしまいます。
原因②ドレンボルトの摩耗
3つ目の原因はドレンボルトです。エンジンオイルはオイルパンという容器に入っていますが、排油口を締めるドレンボルトが摩耗したり、ドレンボルトのパッキンが劣化したりすると、排油口に隙間ができ、そこからオイル漏れが発生します。摩耗や経年劣化だけでなく、ドレンボルトの締め過ぎもオイル漏れの原因となるので注意しましょう。自分で締める場合は、締め付けトルクを確認してから慎重に作業してください。締め方が緩くてもオイル漏れしますが、その場合は規定トルクで締めてオイル汚れを洗浄すれば問題ありません。
原因③オイルパンの破損
4つ目の原因はオイルパンの破損です。オイルパンからのオイル漏れは、他の部位からのオイル漏れよりも漏れ出す量が多いため発見しやすいともいえます。
オイルパンは頑丈に作られていますが、縁石にぶつけたり錆ついたりしてしまうと穴が開く場合があります。また、雪が降った時に凍結防止のために道路に撒かれる融雪剤がオイルパンに着くと錆の原因となります。付着した場合は洗い流して錆を予防しましょう。
3.車検前にオイル漏れが発生した場合
車の下にオイル漏れを発見したらただちに対処しましょう。ここではオイル漏れが発生した時の対処方法を解説します。
JAFやロードサービスを利用して整備工場まで運ぶ
車の下にオイル漏れの跡を見つけたら、オイル漏れしている箇所を探します。オイルの滲みだけの場合は一度きれいに拭き取り、様子を観察します。オイルパンに穴が空いているなど、自身で応急処置が難しい場合は、JAFや任意保険のロードサービスを利用し、近くの整備工場まで運んでもらいましょう。
運転中にマフラーから白い煙が出ているときも注意が必要です。エンジンオイルが燃焼室に入っている証拠ですので、すぐに修理・整備してもらいましょう。
ディーラーや整備工場などで点検してもらう
大きなオイル漏れが確認できなかった場合は、様子を見ながらディーラーや整備工場などに持ち込み、点検・整備をしてもらいます。その際にエンジンオイルを新しいものに交換してもらうと安心です。
4.車検時のオイル漏れの修理費用
車検時にオイル漏れが見つかった場合、修理しないと車検に合格できません。オイル漏れの修理費用はオイル漏れの程度により価格が異なります。
ディーラーに車検を依頼した場合は、オイル漏れによって起きる不具合を予防するために部品を丸ごと交換するケースが多々あります。その場合、部品代が高額になりやすく、軽度のオイル漏れでも100,000円かかる場合があります。
軽度のオイル漏れなら、民間整備工場などで必要部品の交換や、オイル添加剤の充填などで直してもらっても問題ないでしょう。その場合は4,000円〜で修理してもらえます。
重度のオイル漏れが起きていた場合は、民間整備工場などでの修理も高額になりがちですが、ディーラーでの修理も高額になります。慎重に検討しましょう。
エンジンオイルが劣化していると、他の正常な部品に影響を及ぼしオイル漏れの被害が大きくなりがちです。定期的にエンジンオイルを交換しておきましょう。
エンジンオイルの交換時期については以下の記事でも解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
「車検時のオイル交換は本当に必要?適切な交換時期や点検方法を解説」
5.車検時にオイル漏れを修理しない場合の問題点
車検時にオイル漏れが見つかったとき、指定工場に依頼した場合は修理を勧められるでしょう。ただし、車検場に自ら車を持って行くユーザー車検の場合、検査時にオイル漏れがなければ車検に通ることから、修理はせず一時的な応急処置のまま車検に持っていく人もいるようです。
車検時にオイル漏れを修理しない場合の問題は以下のとおりです。
- エンスト(エンジンストール)を引き起こす恐れがある
- 車両火災の危険性が高まる
- 道路交通法違反になり罰則を受ける
エンスト(エンジンストール)を引き起こす恐れがある
エンジンオイルはエンジン内のピストンなどが円滑に動くために必要不可欠なオイルであり、オイルが減少すると警告灯がメーターパネル(インパネ)に点灯します。エンジンオイル警告灯が点灯したら、安全な場所に停車し、エンジンを停止させましょう。警告灯を無視してそのまま走り続けていると、エンジン内のピストンがシリンダーと溶着し、回転が停止してしまいます。いわゆる「エンスト」の状態です。
さらに、そこから無理やり走行させようとして溶着部分が剥がれると、シリンダーやピストンに傷がつき、エンジンの破損が酷くなります。このようなエンジン焼付きが起こると修理代も高額になってしまいますので、早めに修理しましょう。
車両火災の危険性が高まる
まれに、漏れたオイルが高温のマフラーに付着し引火することもあります。オイル漏れでマフラーやボンネットから白煙が出たときは車両火災の危険性も高まります。大変危険ですので、ただちに車を停めロードサービスを依頼してください。
道路交通法違反になり罰則を受ける
オイル漏れのまま公道を走行するのは道路交通法違反にあたり、罰則もあります。指摘された場合は制動装置等の整備不良にあたり、違反点数が2点、反則金は普通車は9,000円、大型車で12,000円となっています。
オイル漏れを放置している車で月極などの賃貸駐車場を使用している場合、オイル汚れで損害賠償請求をされる可能性もあります。エンジンオイルはアスファルトに付くと虹色のシミになり、汚れが目立ってしまいます。雨が降ると、オイル汚れが広がってしまったり、アスファルトに染み込んで劣化してしまう可能性があります。すぐ落とせる小さなオイル染みなら自分でも拭き取れる場合がありますので、早急に対応しておきましょう。
6.まとめ
オイル漏れは車検に通らないばかりか、エンジンの故障や車両火災につながるリスクがある整備不良です。大切なマイカーに長く乗り続けるためにも、日頃からきちんと点検・整備をしておきましょう。
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