「お客様ファースト」実現に向けた改革プラン「WECARSの約束。」策定および改革進捗に関するお知らせ
2024年11月8日
株式会社WECARS
改革貫徹本部
1.はじめに
WECARSの主要商品である中古車は、地域のモビリティ(移動の利便性)の確保、循環型社会の構築などのため、社会インフラの一つとして、これまで以上に重要な役割を担っていくと、WECARSは考えております。この重要な役割とは、耐用年数の長期化に代表される自動車の性能が向上していること、新車対比の価格優位性などがベースにあることなどから、中古車の活用が更に広がっていくことが背景です。
また、日本の自動車アフターマーケットの市場規模は約20兆円と推計されており、需要は根強く、景気の変動も受けにくいことから「安定した巨大市場」と認識しております。
かかる中古車が担っていく重要な役割と、安定した巨大市場といったWECARSを取り巻く事業環境を踏まえ、WECARSの主要株主となる伊藤忠グループは「業界トップの品揃えと規模を可能とする全国約250の店舗ネットワーク」と、それらに隣接する「業界最高水準の設備が揃っている整備工場・ 鈑金塗装工場ネットワーク」を活用した自動車アフターマーケット事業を展開していくことを企図して、5月1日に株式会社WECARS を設立いたしました。
この度、WECARSは、当社を取り巻く上記の事業環境及び当初の設立目的を踏まえ、当社の今後の進むべき改革プラン(以下「WECARSの約束。」)を策定いたしましたので、ご報告いたします。
2.「WECARSの約束。」策定にあたって
1) WECARSのガバナンス体制について
WECARSは監査役を設置しており、社外取締役を含む取締役を核としたガバナンス体制を採用しております。以下のガバナンス体制のもと、改革貫徹本部及び、その傘下にテーマごとの貫徹委員会を設置し、各種改革を推進しております。
■ガバナンス体制
2) WECARSが大切にしていくこと
WECARSは、お客様を第一に考え、“お客様ファースト”を実現するための組織・社員としての成長を約束し、さらには、信頼される中古車市場創造を先導する役割を担うことを約束します。
① お客様ファースト(お客様の満足度・納得感の向上) |
常にお客様の立場に立ち、寄り添うことで、お客様から魅力的というご評価を頂けることを目指してまいります。 |
② お客様ファーストを実現するための組織・社員としての成長 |
社員達ひとりひとりがお客様に向き合い、お客様から学び、研鑽・成長し続ける組織であり続けます。 |
③ 信頼される中古車市場の創造をリード |
常にお客様・社会に誠実であることを志し、信頼される中古車業界の創造をリードしてまいります。 |
3.「WECARSの約束。」
前項の「 WECARSが大切にしていくこと」を実現するために、WECARSは、まずは足元で取り組んでいくことを「WECARSの約束。」としてまとめました。
「WECARSの約束。」は、各改革貫徹委員会による取組状況(下記4.「WECARS設立以降の活動内容及び成果」ご参照)も参考にしながら改革貫徹本部が取りまとめ、取締役会に諮り、慎重な報告と活発な議論を行い、これらを踏まえて策定されました。WECARSは、お客様に信頼いただける組織づくり、そして、高品質かつ透明性の高い販売・買取・整備などのサービスをお客様が安心・納得して利用できるようにすることを、お客様、社会に対し約束するものです。全社員一丸となってこの約束を果たせるよう、社員達の理解・納得を得ながら、この改革を推進してまいります。
1) 「WECARSの約束。」全体像
「WECARSの約束。」は、下図の通り4つの重要な約束より構成されます。
具体的な内容は以下の通りです。
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お客様に信頼いただける会社になるための約束。
① お客様との対話の約束。 “アンケートの実施とサービスの改善”
② 傾聴の約束。 “SNSの活用とサービスの改善”
③ コミュニケーション進化の約束。 “即時報告と早期解決”
④ 評価制度の約束。 “お客様の評価が社員の評価”
⑤ 評価方法の約束。 “お客様に向き合うチーム評価”
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安心と安全のための約束。
① 整備品質の約束。 “最高水準の整備施設の維持”
② 事前整備の約束。 “摩耗したタイヤは交換”
③ 整備検査の約束。 “人的ミスが起きない仕組みを全国一律で導入”
④ 技術評価の約束。 “技術力を評価する報酬制度”
⑤ 技術向上の約束。 “技術を磨く費用の会社負担”
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透明性と納得感のための約束。
① 査定の約束。 “専門家と一緒に”
② 買取時の約束。 “契約後の買取額減額なし”
③ 査定時の約束。 “査定金額の期限明確化”
④ 販売する車両の約束。 “専門家によるトリプルチェック体制”
⑤ 整備場の約束。 “全店舗ガラス張り”
⑥ 整備サービスの約束。 “整備履歴の保管”
⑦ 車検時の約束。 “適切なオプション提案の徹底”
⑧ 保険の約束。 “選べる環境”
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サービス品質向上のための約束。
① 接客品質の約束。 “業界最高水準のマニュアル導入”
② よりよいサービスへの約束。 “意見共有の機会”
③ 購入後の約束。 “アフターサービスの拡充”
④ 連携の約束。 “全国どこでも同品質整備の提供”
⑤ 高品質なサービスの約束。 “一流の鈑金塗装サービスの提供”
⑥ コンプライアンスの約束。 “全社員研修の実施”
2) 「WECARSの約束。」実現に向けた3つの主要な骨格
WECARSが大切にしていくこと、“お客様ファースト”を踏まえると、人事制度の見直し、人材育成への取組強化、自走できるコンプライアンスに係る仕組みの構築が「WECARSの約束。」の実現に向け、3つの主要な骨格となります。
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人事制度の見直し
「WECARSの約束。」を実現するための人事制度へと見直しを行います。具体的には、かつての販売実績のみで評価される制度設計から、お客様満足、コンプライアンス遵守についても、評価・報酬に繋がる仕組みを設計・導入することで、お客様にご満足いただけるサービスの提供にコミットいたします。そして、整備・鈑金塗装部門においては粗利に起因したインセンティブを廃止し、求められる技術の達成度合い、安心・安全な整備オペレーション、仕事への向き合い方等を評価したスキル給を新設いたします。
かかる仕組みの設計・導入を行うことにより、社員達の「結果を出し続けないといけない」といった不要な強迫観念を払拭し、結果として不正を働くことを防止する環境を整えてまいります。また、お客様ファーストの観点から、整備品質、サービス技術が評価・報酬に繋がる制度も導入する予定です。
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人材育成への取組強化
「事業は人なり」の精神の下、人材育成へ積極的に時間と資金を投資し、業界最高水準の社員教育プログラムを構築してまいります。社員教育は、新たにWECARSに加わる社員に対してのみならず、全店共通となる業務マニュアル(業務プロセス、各種ガイドライン)を整備し、社員全員を対象に落とし込みを図ることで、高い水準でのサービスレベルの均一化に取り組んでまいります。
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自走できるコンプライアンスに係る仕組みの構築
WECARSは、コンプライアンス遵守を設立以降の最も重要なテーマとして捉え、コンプライアンス主管部門及びコンプライアンス・整備・鈑金塗装の監査部門に計30名の人員を配備し、後記「4.WECARS設立以降の活動内容」のとおりのコンプライアンスに係る活動を徹底して行ってまいりました。さらに、今後は、業界随一のコンプライアンス遵守体制の整備をさらに推し進めるため、コンプライアンス主管部門及びコンプライアンス・整備・鈑金の監査部門に係る体制を、現在の計30名体制から、計40名体制へと大幅に増強する予定です。
具体的には、WECARSは、今後、コンプライアンス遵守の仕組みを整え、自走できる組織を構築してまいります。すなわち、コンプライアンス(法令のみならず、規則、ガイドライン、マニュアル等を含む広義の意味でのコンプライアンス)に係る施策をコンプライアンス主管部門において策定し、当該施策を事業部門において実行・点検し、当該実行・点検結果をコンプライアンス、整備・鈑金の監査部門において監査し、当該監査結果を踏まえて、また新たな施策に繋げるというPDCAの仕組みを構築してまいります。かかる仕組みにおいては、施策を策定するコンプライアンス主管部門及び監査部門の役割が極めて重要であり、上記体制の増強を行う次第です。
■コンプライアンス施策のPDCAサイクル
✓策定・監査体制を現在の30名→40名に増強
4. WECARS設立以降の活動内容
WECARSは今年5月1日の会社設立以降、「WECARSの約束。」の根底にある“お客様ファースト”という理念の下、以下の取組を行ってまいりました。いずれの施策も“お客様ファースト”を実現するための土台としての必要不可欠であると考える組織・制度、社員意識、サービス水準についての施策であり、当該施策は本日現在、一定の成果をあげております。
1) 5月1日以降の活動内容
5月1日以降、経営幹部による店舗訪問、人事制度改定、お客様の声を大切にする仕組み、コンプライアンス研修の実施、内部通報制度の拡充、社員研修の実施、伊藤忠グループとの協業等の取組を行ってまいりました。
活動内容詳細について
2) 進捗状況と成果
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組織風土改革
経営幹部による店舗訪問やビデオ会議を経て、WECARSが「風通しの良い」職場であると感じている社員が、直近アンケートでは全体の85%まで増加しております。
Q.
あなたの職場は、言うべきことが言える「風通しの良い」職場であると思いますか?
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コンプライアンス
経営幹部及び内部統制部による巡回研修や、E-Learning・ビデオ会議を活用したコンプライアンス研修の継続実施を経て、内部通報の件数及び賞罰委員会における審議の対象となった従業員数は減少しております。また、不正の根源となり得る“ハラスメント撲滅”に対する取組を評価する社員が、直近アンケートでは全体の67%へと増加しております。更に、“ハラスメント防止”に会社が真剣に取り組んでいることが社員達にも浸透してきております。
Q.
WECARSは、ハラスメントの撲滅に本気で取り組んでいると思いますか?
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お客様の評価
お客様にも徐々に、会社としての「変化」、「本気度」が伝わってきており、外部の主な中古車検索サイトにおける顧客レビュー数も順調に増加しております。加えて、サービス項目別のお客様評価ポイントも改善傾向にあります。
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会社業績
5月1日のWECARS設立以降、業績よりもまずは「コンプライアンス遵守」「お客様の満足度・納得感」を徹底できる素地作りを最重要テーマとして経営しているため、主だった販売促進活動は打ってきておりません。しかしながら、5月1日以降、販売台数は+27.5%増、買取台数については+42.1%増と業績は回復傾向にあります。
5. おわりに
WECARSの改革は、まだ緒に就いたばかりであります。WECARSは、今後も、お客様やお取引先等を始めとする弊社に関係する全ての方々の声によく耳を傾け、さらに改革を進めてくという姿勢・方針で取り組んでいく所存です。
その上で、WECARSは、かつて業界トップを誇った店舗ネットワークを活用し、さらに、保有する優れた整備設備・技術、そして何より車を愛する社員達と共に正しい方向に進んでいくことで、お客様からの信頼を基本に、“いち企業”として成長するだけでなく、伊藤忠グループの総力を活用しながら日本に必要な中古車市場を形成するべく、業界をリードしていく役割を果たしていける企業へと進化してまいりたいと考えております。WECARSは、今回発表した「WECARSの約束。」を、WECARSが、業界をリードする役割を担うための最初の一歩と考えており、これからも業界の変化や進化を捉えた第2、第3の施策を打ち出していきたいと考えております。
最後に、是非、一度、WECARS店舗にお立ち寄り頂き、我々に至らぬ点等あれば率直にご意見頂ければ幸甚です。
2024月11月8日現在、87店舗の看板を掛け替えました。
年内には看板の掛け替えは完了する予定です。
以上