1.車検の代車とは何のこと？

車検の代車とは、車検で車を預ける際に車検業者から貸し出される車のことを指します。車検にかかる時間は早くとも1時間、長ければ数日かかるため、その間は車が使えません。その際の不便を解消するために、車検業者は車検の間に使える車を手配してくれます。

2.車検時に代車を借りるには？

ほとんどの車検業者では代車を用意していますが、必ず車検とセットで貸してもらえるものでもありません。中には代車の貸し出しを行っていない車検業者もあるため、車検業者を決める際にはサービス内容を確認しておきましょう。

代車を貸してもらえるケース

代車を用意している車検業者であれば、原則として車検時は代車を手配してもらえます。代車の準備に時間がかかる場合もあるため、代車が必要かどうかは車検予約時に伝えておきましょう。どうしても貸し出せる代車が準備できない場合はレンタカーを手配してくれる場合もありますが、その場合は支払いを誰がするかの確認も必要です。

代車を借りるときにかかる料金

多くの車検業者は代車を無料で貸し出しています。ただし、一部では有料の場合があります。代車貸出費用として車検費用に一定額が加算されているケースや、貸し出し自体は無料でも一定期間や一定距離を超えると料金が加算されるケースなど、料金形態はさまざまです。有料の場合は1日あたり1,000円程度がおおよその相場となります。

なお、貸し出すのはあくまで車だけであり、燃料代は利用者が負担することになります。代車使用時の故障や破損の修理代も原則利用者負担です。

代車を借りられる日数

多くの場合、代車に貸出期限は設けられていません。車検が終わるまで借りられるため、予定外の整備などで車検にかかる期間が伸びてしまっても、車が戻ってくるまでは使えます。ただし、車検の混雑状況や、あまりに貸出期間が長くなる場合は店舗の代車が使えなくなることもあるため、途中で他の代車やレンタカーへの切り替えを相談される場合もあります。

当日申告でも借りられる？

空いている代車があれば、当日に申し出ても代車は借りられます。ただし、繁忙期は代車がすべて使用されていることも多く、急な申し出では代車を貸してもらえない場合もあります。こうしたトラブルを避けるためにも、車検予約時には代車が必要かどうかをしっかりと伝えておきましょう。

3.代車は車種を自由に選べるの？

代車は店舗側で用意するため、自由に選ぶことはできません。ディーラーでは、事前に予約があった場合には預けた車と同じクラスが用意されるのが一般的ですが、店舗側で維持費を抑えることができる軽自動車やコンパクトカーが用意されるケースもあるようです。なお、輸入車専門の車検業者では代車も輸入車である場合があります。

店舗によっては代車を持たずレンタカーで対応する場合もあります。その場合、希望を伝えれば車種を選べる場合があります。空いている代車が複数台ある場合はその中から交渉次第で好きな車を選べますが、店舗側が用意したものをそのまま使うのが代車を借りる際のマナーです。

4.車検時に代車がいらない場合

代車費用が有料の場合、借用を断ることで車検費用を抑えることができます。短時間で終わる車検を店内で待つ場合や車検を依頼する場所が近所の場合、公共交通機関の便が良い場合、セカンドカーを所有していて家族などに送り迎えしてもらえる場合など、代車が不要な際には、代車の借用を断っても問題ありません。

代車が不要な場合には、予約時にそのことをしっかり伝えておきましょう。代車の予約状況は他の利用者にも関係するため、急な予定変更があると店舗側を混乱させることになってしまいます。

5.代車の返却時にはガソリンを入れるべき？

使用した分の燃料は給油して返すのが、代車を借りるうえでの最低限のマナーです。貸し出されたときに燃料が満タンであれば満タンにして返しましょう。正確な量がわからなければ、少し多めに入れて返すのが礼儀です。

いっぽう、少量しか入っていなかったのに満タンにして返す必要はありません。あくまで借りるのは車であるため、借りたときの状態に戻して返せば十分です。ただし、レンタカーを代車として借りた場合は満タンにして返すのが原則です。これは店舗の決まりではなくレンタカー業者側の規約に従うものです。

6.代車を借りたときの注意点

代車には、使用中における注意点はもちろん、使用前にも確認しておきたいことがあります。確認を怠ると後々思わぬトラブルにつながる恐れがあります。代車を使用する際の注意点を見ていきましょう。

代車の状態を把握しておくこと

代車を借りて乗り出す前に、燃料の量や車体内外装の傷や汚れ、保険の加入状況などを確認しておきましょう。残っている燃料の確認は返却時の燃料を把握するのに必要です。また、代車には最低限の燃料しか入れられていない場合がほとんどであるため、給油が必要かどうかを確認する必要があります。まれにディーゼル車が貸し出される場合もあるため、油種の確認もしておきましょう。

車体の状態確認は、返却後のトラブルを避けるために有効です。代車は元々傷が付いていることも多く、返却時に指摘された傷が元からあったものか、利用者がつけたものかが不明瞭になりがちです。代車に乗る前にスマートフォンのカメラなどで撮影し、画像として記録しておくことで責任の所在を明確にできます。

保険の加入状態の確認は、代車で事故を起こした場合の賠償に関わります。車検業者によっては代車に保険をかけていない場合もあります。 代車の保険はこちらの記事で詳しく解説しています。 play_arrow 「車検時の代車の保険はどうなる？」

故障や事故を起こしたらすぐに連絡すること

代車で故障や事故を起こした場合は、事故の程度を問わず車検業者にすぐに連絡して指示を仰ぎましょう。レンタカーの場合も同様です。代車に保険がかけられている場合は車検業者が加入している保険会社から賠償されますが、無保険の場合は利用者が代車の修理費や事故に関わる損害すべてを賠償しなくてはなりません。ただし、無保険の代車で事故を起こした場合は利用者が加入する任意保険のほか車運転特約を使うこともできます。

タバコや飲食はしないこと

代車の使用に特別なルールが設けられている場合はそれを遵守しましょう。代車は他の方も利用するため、車内でのタバコや飲食、ペットの同乗など、汚れや臭いの原因となる行為はルールとして定められていなくても厳禁です。また、走行距離がかさむ過度な長距離移動や、車に負担をかける悪路などの走行もマナー違反に該当します。代車の使用は必要最小限に留めることもマナーといえるでしょう。

チャイルドシートは自分で準備すること

代車にチャイルドシートは備わっていないため、必要な場合は車検に出す前に自分の車から取り外し、代車に取り付けて使用しましょう。ただし、ISOFIX固定金具専用のチャイルドシートは、代車に専用固定金具が備わっておらず取り付けできない場合があります。その場合はチャイルドシートのレンタル業者を頼るか、子どもを託児所に預けるなどの方法で対応する必要があります。

なお、チャイルドシートの付け替え時に取り付け不備があると走行中に外れ、重篤な事故に陥る危険があります。チャイルドシートの正しい取り付け方法も確認しておくとよいでしょう。

7.まとめ

代車利用時は、予約時・使用前・使用中・使用後それぞれに注意すべき点があります。どれだけ状態が悪い代車であっても借り物であることに変わりはありません。使用上のルールやマナーを守り、丁寧に扱うことを心がけましょう。

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