車検で不合格・再検査になったら?対応方法を解説
運輸支局に自ら車を持ち込んで検査してもらうユーザー車検では、不合格になるケースが少なくはなく、繰り返し再検査が必要になることもあります。車検の再検査には回数や日数などの規定があり、規定を超える場合は追加の手数料などがかかるうえ、場合によっては最初から検査をし直す必要にも迫られます。
ここでは、ユーザー車検で再検査になってしまった場合の対応方法や、再検査にならないためのコツ、注意点などを解説します。
1.車検で不合格・再検査になる理由
車検で不合格になる理由は、車両の不備による保安基準違反だけではありません。なかには些細な見落としやミスが原因になることもあるため、ユーザー車検を受ける際は不合格になりやすいポイントを知っておくことが非常に大切です。よくあるユーザー車検の不合格理由を解説します。
書類の不備
書類の記載ミスや内容の誤りによって車検に通らないことがあります。ユーザー車検では多くの書類が必要になるため、記載ミスも起こりがちです。書類の不備で不合格になった場合は記載事項を修正しなければなりません。書類の準備と記載内容の確認は念入りに行いましょう。
委託車検時、ユーザー車検時それぞれの場合に必要な書類や物品は、以下の記事で詳しく解説しています。
「車検の必要書類や基本的な持ち物は5つ。準備はお早めに!」
違反金の未払い
未納の反則金などがある場合も車検には通りません。速度違反や一時停止違反などで警察官から直接違反キップを切られた場合は納付を忘れることは少ないものの、駐車違反のように警察官と対面せず科される反則金は支払いを忘れてしまいがちです。
違法な改造
保安基準を満たさない違法改造が施された車も車検には通りません。低すぎる車高や音量が大きすぎるマフラーなどは当然として、サイズ違いのホイールを装着したことによるタイヤ外径の変化やドレスアップ目的で装着したイルミネーションなども、保安基準に適合されなければ違法改造車となるため、該当部分を修正してから再検査が必要になります。
2.車検で不合格になった場合の対処法
何らかの理由で車検が不合格になると再検査が必要となります。ただし、検査を行うのは基本的に不備があった箇所のみです。再検査は、運輸支局で受ける方法と、車検場と同様の設備がある指定工場で受ける方法の2通りがあります。
自分で修理した場合や、一般自動車整備工場もしくは車検整備が認可された認証工場で修理してもらった場合は、運輸支局で再検査を受ける必要がありますが、指定工場で修理を受け、検査に合格できると交付される「限定保安基準適合証」があれば、運輸支局での再検査は不要です。運輸支局で手続きを行えば、すでに再検査に合格しているものとして新しい車検証が発行されます。ただし、整備や検査にかかる費用は別途、作業の依頼先に支払う必要があります。
このように、ユーザー車検で自分の手に負えない不合格箇所があっても指定工場に検査を引き継いでもらえることを知っておくと、不合格になっても対処がしやすくなります。
3.車検の再検査
再検査には当日再検査と後日再検査の2通りがあり、それぞれ手順や費用が変わります。
当日の再検査
車検当日の再検査は2回まで無料で行えます。つまり、一度の手数料で受けられる検査は初回検査と2回の再検査を合計した3回までとなります。 一日に4回以上検査を受けるためには、受付窓口で「限定自動車検査証」の交付を受けたうえで、再検査手数料として1,300円を支払う必要があります。
後日の再検査
修理に時間がかかる場合や運輸支局の受付時間が差し迫っている場合は、受付窓口で「限定自動車検査証」の発行を受け、手数料として1,300円を支払えば、後日不備箇所のみ検査が受けられます。ただし、再検査を受けられる期間は限定自動車検査証の発行日を含めて15日以内に限られています。
4.車検で不合格にならないための方法
ユーザー車検では、不合格になりやすいポイントをしっかり押さえておくことが大切です。特に運輸支局での手続きは煩雑で、些細なミスが起こりがちです。しかし、要点を知っておけば落ち着いて対処することもできます。ユーザー車検に合格するためのコツを解説していきます。
必要な書類などを用意する
ユーザー車検には、自動車検査証(車検証)や自動車税(種別割)納税証明書、自動車損害賠償責任保険証明書などの基本的な車検書類以外にも必要となる書類があります。これらはすべて運輸支局の窓口に備わっていますが、ボールペンと鉛筆を使い分けるなどの注意事項も多く、慌てると記載ミスが起こりやすいため、事前にダウンロードしたものを印刷するなどして準備しておくことをおすすめします。インターネットなどの情報を参考にして事前に用意しておけば記載ミスが防げるうえ、手続きの時間も短縮することができます。
ただし、コンピュータに文字を認識させるOCR様式の書類もあるため、印刷にズレやかすれなどがあると書類が正常に読み込めない場合がある点に注意しましょう。
なお、車検時の必要書類については、こちらの記事で解説していますので、ご参考ください。
「車検の必要書類や基本的な持ち物は5つ。準備はお早めに!」
あらかじめ不合格となるポイントを押さえておく
異常がないように見える車でも、まったく整備せずユーザー車検に合格することは非常に稀です。よく見落とされがちなのは、タイヤの摩耗やワイパーの劣化、ドライブシャフトやプロペラシャフトなどブーツ類からのグリス漏れなどが挙げられます。ユーザー車検前には、こうした箇所の入念な点検と、不合格になりそうなパーツの部品交換を済ませておくことが必要です。
また、以上のような項目の異常は目視確認できるものの、ホイールアライメントのズレなどによるサイドスリップの異常や、ヘッドライトの光軸や光量の異常は目視確認では良否を判断できないため、それらの計測設備をもつ整備工場などに点検を依頼しておきましょう。
5.車検の再検査が最初からやり直しになる場合
再検査となったとしても、「限定自動車検査証」の交付を受ければ再検査が受けられます。しかし、期間を過ぎると限定自動車検査証が無効となり、合格した箇所も含めて最初から検査を受け直さなければなりません。もちろん、検査手数料も再度支払う必要があります。
仮に初回の車検で不合格となり再整備しても合格できなかった場合も、最初から検査を受け直さなければなりません。
また、再検査を重ねる間に車検の有効期間が切れてしまうと自走できなくなるため、仮ナンバーや積載車などを利用して運輸支局まで車を運ぶ必要に迫られます。特に慣れないうちは、車検満了日までの日程に余裕をもってユーザー車検に挑むようにしましょう。
6.まとめ
ユーザー車検は車検業者に依頼するよりも費用が抑えられますが、合格の難しさがネックとなります。何度も再検査になることも決して珍しいことではなく、保安基準の規定と合格基準に精通していなければユーザー車検での合格は難しいといえるでしょう。
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