車検証が盗まれたときの対処法と注意点
自動車検査証(車検証)は車を運転する際に必ず携行する必要があるため、常に車に置いているという方も多いのではないでしょうか。
車両情報や車の所有者の個人情報まで書かれている重要な自動車検査証(車検証)は、紛失や盗難にあう可能性もゼロではありません。万が一、大事な自動車検査証(車検証)を紛失したり盗難されたりすると、「悪用されないだろうか?」「車に乗れなくなるの?」と心配になるでしょう。
そこで今回は、自動車検査証(車検証)を盗まれたらどうなるか、悪用を防ぐ方法、再発行のやり方について解説します。本記事の内容を確認しながら、まずは落ち着いて対処していきましょう。
1.自動車検査証(車検証)が盗まれたらどうなる?
起こらないことを願いたい自動車検査証(車検証)の盗難ですが、万が一発生してしまった場合、考えられる被害は大きく分けて2つあります。
- 運転ができなくなる
- 悪用される可能性がある
まず、自動車検査証(車検証)がないと公道を走行することができません。これは、道路運送車両法の第六十六条第一項にて、自動車検査証(車検証)の携帯がすべてのドライバーに義務付けられているためです。
「自分は盗まれた被害者だから罰せられないのでは?」と思う方も多いかもしれませんが、警察へ被害届を出さずに車に乗っていると、自動車検査証(車検証)不携帯で罰則を受ける可能性があります。自動車検査証(車検証)不携帯が発覚したあとで「自動車検査証(車検証)の盗難に遭っていた」といっても、違反を取り消すことはできません。
そして、自動車検査証(車検証)の盗難で考えられるもう一つの被害は、個人情報の流出と悪用の可能性があることです。自動車検査証(車検証)には車両情報のほかに、車の所有者の氏名と住所が記載されており、知らない人に知られてしまうのは悪用されるリスクが高まる可能性もあります。
ただし、身分証明書となる免許証や保険証、金銭的な被害の可能性があるキャッシュカードやクレジットカードなどに比べると、自動車検査証(車検証)は比較的悪用されにくい書類です。
過度な心配はせずに、次章の対処法を一つずつ実践するようにしましょう。
2.自動車検査証(車検証)が盗まれたときの対処法
自動車検査証(車検証)は運転時に常に携行する義務があるため、盗難や紛失が発覚したらすぐに対処しなければなりません。対処法は次の2つです。
- 警察へ届け出る
- 自動車検査証(車検証)の再発行
一つずつ手順を確認していきましょう。
警察へ届け出る
自動車検査証(車検証)を自分で紛失したのではなく、盗難によってなくした場合は、交番や警察署へ盗難届を提出する必要があります。
まずは、盗まれたときの状況を整理し、印鑑と身分証明書を持参して最寄りの交番や警察署へ出向きましょう。
自動車検査証(車検証)の盗難届を出したい旨を伝え、聞かれた質問に答えていきます。警察で聞かれることは、主に次のような内容です。
- 盗まれた場所・状況
- 盗まれたと気付いた日時
- どこに保管していたか
- ケースやファイルに入れていた場合はその形状
- 車のナンバー・色・年式などの車両情報
- 車を駐車していた時間帯
車両情報の詳細が分からない場合は、車を購入した店舗や保険会社に確認すると良いでしょう。
盗難届が受理されると、受理番号が交付されます。自動車検査証(車検証)が見つかったときの受け取りの際に、受理番号が必要になるため、メモしておきましょう。
自動車検査証(車検証)の再発行が必要
自動車検査証(車検証)は再発行が可能です。自動車検査証(車検証)を自身で紛失した場合と、盗まれてなくした場合のいずれであっても、自動車検査証(車検証)の再発行をしなければなりません。
先述のとおり、自動車検査証(車検証)がないと公道を走行することができないため、その車を利用する予定がある場合は早めに再発行の手続きを行いましょう。
3.自動車検査証(車検証)の悪用を防ぐには?
自動車検査証(車検証)がないと運転ができなくなるだけでなく、悪用される可能性もあるため、早めに盗難届の提出と自動車検査証(車検証)の再発行の手続きをセットで行う必要があります。
盗難届を出しておくことで、万が一誰かに悪用された場合でも、自分が被害者であることを証明できます。「盗まれたから」と伝えたところで、再発行の手続きや被害届を出していない状態では証明できないため、トラブルが発生する前に、すぐに盗難届を出すようにしましょう。
さらに、自動車検査証(車検証)の再発行を行わずに運転し、公道を走行中に道路運送車両法違反で捕まってしまうと、車を積載車で移動させなければならなくなります。その場合、違反の罰金だけでなく、積載車の手配や費用も自分の損失となってしまいます。盗難届の提出とあわせて、自動車検査証(車検証)の再発行も早めに行いましょう。
4.自動車検査証(車検証)の再発行のやり方
自動車検査証(車検証)を紛失したり盗まれたりした場合には、自動車検査証(車検証)の再発行ができます。
自動車検査証(車検証)の再発行ができる場所は、自動車のナンバーを管轄する運輸支局または自動車検査登録事務所の窓口です。申請書、理由書、身分証明書などの必要書類を準備し、窓口で申請します。その際には、再発行のための手数料が発生します。
自動車検査証(車検証)の再発行のやり方は2種類あり、自分で運輸支局へ行って再発行する方法か、車検を受けた車検業者に依頼する方法です。
自分で再発行の手続きをする場合は、代行手数料がかからない反面、時間や手間がかかります。日中時間を確保できない場合や急ぎの場合は、車検業者に依頼することも検討してみると良いでしょう。
自動車検査証(車検証)の再発行の詳しい手順や、理由書の書き方については、こちらの記事を参考にしてください。
「車検証を再発行する方法とは?やり方やかかる費用を解説」
5.廃車にするなら自動車検査証(車検証)の再発行は不要
今後その車を走らせる予定がなく、廃車にする意思がある場合は、自動車検査証(車検証)の再発行は必要なのでしょうか。
結論から言うと、自動車検査証(車検証)を盗難された状態で廃車にする際には、自動車検査証(車検証)の再交付手続きが免除されるケースがあります。
そもそも、廃車とは、車の一時抹消登録や永久抹消登録を行い、ナンバープレートを外して使用できない状態にすることです。
一般的な廃車手続きでは、自動車検査証(車検証)の再発行が必要です。これは、各種手続きのために自動車検査証(車検証)の提示が求められるためと、車を解体業者などへ持ち込む際に自動車検査証(車検証)がないと運転できないためです。
ただし、「自動車検査証(車検証)を盗まれた」などの理由がある場合、理由書に必要事項を記入し、登録事項証明書を発行することで、通常どおりの廃車手続きが可能になることもあります。
自動車解体業者、廃車買い取り業者などによって自動車検査証(車検証)の必要性は異なるため、解体業者などへ持ち込む前に、一度問い合わせてみることをおすすめします。
また、盗難された事実や日時などを確認するために、窓口で自動車検査証(車検証)の盗難届の受理番号を聞かれる可能性もあります。廃車の持ち込みをする際には、受理番号のメモも忘れずに持参するようにしましょう。
なお、廃車にする方法については、こちらの記事で解説していますので、ご参考ください。
「車検切れの車に乗れるようにするには?費用、売却や廃車の方法も解説」
6.まとめ
自動車検査証(車検証)には車両情報や車の所有者の個人情報が記載されているため、万が一紛失や盗難にあうと、運転ができなくなったり、悪用されたりする可能性があるといった被害が想定されます。
車を運転するためには自動車検査証(車検証)の携行が必要ですので、盗難や紛失が発覚したらすぐに対処しなければなりません。まずは状況を整理して警察へ盗難届を出し、その後、管轄の運輸支局などで自動車検査証(車検証)の再発行の手続きを行いましょう。
自動車検査証(車検証)を悪用されるといったトラブルを回避するためにも、早めに盗難届の提出と自動車検査証(車検証)の再発行を済ませるようにしてください。もしも、自動車検査証(車検証)の盗難など思わぬ事態が発生したときには、信頼できる車検業者であれば相談しやすいはずです。
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