車検に出す車を取りに来てもらうことはできる?
かかる費用や引き取り納車について解説
車検の時期が近付いてきているものの、車検を出しに行く時間がなくて困っている方も多いのではないでしょうか。
店舗へ持ち込むための時間がないときや、運転できる方がいない場合には、車検に出す車を取りに来てもらえる「引き取り納車」を利用する方法もあります。
本記事では、引き取り納車のサービス内容や費用、対応している車検業者、引き取り納車を利用するときの注意点をご紹介します。日中仕事などで時間を確保できない方や、車検が切れていて自分で持ち込めない方にも役立つ内容です。
1.引き取り納車とは?
車検のときによく聞く「引き取り納車」のサービスですが、聞いたことはあっても、実際に利用したことはないという方も多いでしょう。まずは、引き取り納車がどのようなサービスであるかを説明します。
車検に出す車を引き取りに来てもらえる
通常は、車検に出す車を自分で運転して、車の購入先や車検業者の店舗へ持ち込みます。
引き取り納車は、店舗のスタッフに自宅まで車を取りに来てもらえるサービスのため、自分で運転して車を移動させる必要がなく、店舗で車検が完了するまで待っている必要もありません。
検査完了後は納車してくれる
車検業者が車を引き取ったあとは、通常どおり整備工場や車検場で点検や車検検査を実施します。
整備や部品交換が必要な箇所があれば、適宜交換や調整も行い、車検が通るように整備します。点検や車検検査が完了し、車検に合格できたら、再度自宅へ納車してくれます。
引き取り納車を利用すれば、自分でわざわざ店舗へ出向くことなく、車検を完了できます。
2.引き取り納車を使うべきタイミング
車検は自分で店舗へ持ち込む方法が一般的ですが、次のようなタイミングのときには、引き取り納車が非常に役立ちます。
車検まで余裕がない場合
「気付いたら車検まであと数日しかない」「忙しい時期と重なってしまった」など、車検まで余裕がないときは、引き取り納車を使うべきタイミングです。
車検には有効期限があり、個人的な理由や事情があったとしても、期限を延長することはできません。時間に余裕のある方であれば通常どおりの持ち込み方法で問題ないですが、時間の余裕がない方は車検の有効期限が切れないことを優先させることが必要です。
引き取り納車であれば、移動時間や店舗で作業完了を待つ時間が省けます。
また、予想外の修理などで当日に車検が終わらない可能性もゼロではありません。時間を節約したい方や、どうしても時間を確保できない方は引き取り納車を検討してみると良いでしょう。
運転できる方がいない場合
自分が忙しいときでも、家族や身内で運転できる方がいれば、代わりに店舗へ持ち込んで車検を受けてもらうことも可能でしょう。
しかし、自分以外に車を運転できる方がいない場合には、店舗へ持ち込むことができなくなってしまいます。
自分以外に運転できる方がおらず、自身も出張や旅行で長期不在になる場合や、けがや入院などで運転できない場合には引き取り納車を活用しましょう。家族が家にいれば、車検業者へ車を引き渡す際の対応だけでも頼んでおけます。
車検が切れている車を出す場合
車検が切れている車を車検に出す場合にも、引き取り納車は役立ちます。
道路運送車両法によって、車検切れの状態では公道を走行できないことになっており、もし違反すれば、罰金や罰則が科せられてしまいます。さらに、車検が切れる時期は自賠責保険が切れるタイミングでもあり、自賠責保険が切れた状態での走行も違反行為となります。
車検切れと自賠責保険切れの2つの罰則をあわせると、高額の罰金または長期間の懲役が科せられてしまい、非常にリスクが高いです。
車検切れの状態で車検を受け直すためには、車検場や車検業者へ積載車で運ぶか、または仮ナンバーを取得して走行する必要があります。車検業者によっては、積載車や仮ナンバーの取得などの手配代行が可能な場合もあるため、車検が切れている車を出す場合は、引き取り納車とあわせてこれらの手配ができるか相談してみると良いでしょう。
車検が切れた車を運転する危険性や、再度乗れるようにする方法は、こちらの記事で解説しています。
「車検切れの車に乗れるようにするには?費用、売却や廃車の方法も解説」
3.引き取り納車に対応している車検業者
引き取り納車は、どの車検業者でも行っているわけではありません。引き取り納車を希望する場合は、事前に利用可能か調べておく必要があります。
同じ車検業者の系列店であっても、店舗によって対応の可否が異なる場合や、一時的に対応できなくなっている場合もあるため、ホームページなどで調べる他、直接利用する店舗へ確認すると確実です。
4.引き取り納車にかかる費用
引き取り納車は、基本的には有料です。費用は車検業者によって異なります。
引き取り納車の費用は、一般的には距離数や車両の大きさなどで決められています。例えば、「3km圏内は○○円、5km圏内は○○円」といった具合です。市内・市外・県外などで分類している車検業者もあります。
また、「引き取りのみ」「納車のみ」「引き取り・納車両方」とサービスを選べる場合もあります。
そのほか、引き取り場所へ向かうために高速を利用する場合は高速代がかかり、積載車が必要な場合は積載車の手配料や利用料がかかる場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。
昨今の情勢の変化により、引き取り納車の費用が変更されていたり、引き取りサービス自体を停止していたりすることもあるため、事前に対応の可否と料金体系を必ず確認するようにしましょう。
5.引き取り納車を利用するときの注意点
時間がないときや、運転できる方がいないときなどに便利な引き取り納車ですが、サービスを利用する際には、次の2点に気を付けてください。
早めのスケジュール調整・予約が必須
引き取り納車を依頼したとしても、当日すぐに来てもらえるとは限りません。
車検業者側の都合もあるため、希望の日時で依頼するためには、余裕をもってスケジュールを調整し、事前に予約するようにしましょう。
整備に関する説明を直接聞けない
車検を受ける店舗へ車を自分で持ち込む場合は、基本的には検査前や検査後に整備士や担当者から直接説明を受けるための時間が設けられているため、普段気になっている箇所や心配な点などを質問できます。
また、見積もり時点で提示された整備内容を検討し、今回ではなく次回の車検時の実施へ変更できるかどうかといったことも相談可能です。
しかし、引き取り納車によって車検を受けると、整備士から整備に関する説明を受ける機会がなくなるため、こちらの意図がうまく伝わらず希望の処置がしてもらえないといった事態もあるかもしれません。
例えば、整備してほしいところが整備されなかったり、不要なところまで整備されて費用が高くなったりといった可能性もあります。
特に心配な箇所がある場合や点検や修理が不要な箇所がある場合は、事前に伝えておきましょう。車検実施後に希望と違うなどのトラブルにならないよう、見積もり書などにも特筆すべき点を記載してもらうようにするとより確実です。
6.まとめ
忙しくて車検業者へ車を持ち込めないときなどには、引き取り納車のサービスが便利です。「車検まで余裕がない」「運転できる方がいない」「車検が切れている」といったタイミングで活用することで、有効期限に間に合うように車検を完了できます。
引き取り納車への対応の可否や引き取りにかかる費用は、車検業者によって料金体系などもさまざまです。利用の際は事前に確認するようにしましょう。
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