自動車検査証(車検証)の正しい見方とは?
種類や確認すべきポイントを解説
自動車検査証(車検証)は、車の所有者の個人情報や、車両に関する多くの情報が書かれている重要な証明書です。車検に合格すると交付されますが、書かれている内容を細かく確認したことのある方は、意外と少ないのではないでしょうか。
今回は、タイプ別の自動車検査証(車検証)の見方と記載されている項目、確認すべきポイント、適切な保管場所について解説します。本記事を読めば、自動車検査証(車検証)の有効期限や、税額に関わる項目の見方も分かるようになります。
1.自動車検査証(車検証)にはAタイプとBタイプがある
基本事項として、自動車検査証(車検証)にはAタイプとBタイプの2種類あり、それぞれ記載されている事項が少々異なります。まずは、それぞれの特徴をご紹介します。
Aタイプの自動車検査証(車検証)とは?
Aタイプの自動車検査証(車検証)とは、左上の番号の横に「A」と表記されている書式のものです。
Aタイプの特徴は、自動車の所有者と使用者の両者に関する情報が記載されている点です。所有者と使用者が違う場合は、どちらの情報も記載されており、同じ場合は使用者の欄に「***」と表記されています。備考欄には、エコカー減税の適用の有無や点検整備実施状況などが記載されています。
Bタイプの自動車検査証(車検証)とは?
Bタイプの自動車検査証(車検証)は、左上の番号の横に「B」と表記されています。
Aタイプと違う点は、Bタイプには使用者のみの情報が記載され、所有者情報の欄は設けられていない点です。所有者の情報は、「本自動車検査証発行時における所有者情報」として備考欄に記載されています。
Bタイプの車検証が交付されるようになったのは、Aタイプよりも後の2008年11月以降です。
自動車検査証(車検証)には、「車の所有者が変わったときは15日以内に変更を申し出る」というルールが定められており、従来のAタイプの表記方法だけでは、所有者が変更するたびに新しい自動車検査証(車検証)を発行する必要がありました。
Aタイプの自動車検査証(車検証)の場合、リース会社などが頻繁に変更申請を行わなければならず、このような所有者変更の手間と再発行の手数料を軽減するために、Bタイプが発行されるようになったといわれています。
ちなみに、Bタイプの自動車検査証(車検証)の交付には、国土交通省への申請が必要です。また、所有者と使用者が違うことが申請の条件となっています。
2.自動車検査証(車検証)に記載されている項目一覧
自動車検査証(車検証)には、車の所有者・使用者の情報や、車両情報などさまざまな情報が記載されています。記載されている項目の内容を、一つずつ確認していきましょう。
所有者の氏名または名称
「所有者の氏名または名称」の欄には、車の所有者の個人名または法人の名称が書かれています。自動車ローンで購入した場合は、支払いが完了するまでの期間は、所有者の欄に自動車販売店やディーラー、もしくはローン会社の名称が記載されます。
Bタイプには所有者欄がないため、備考欄に所有者の氏名または名称が印字されています。
使用者の氏名または名称
Aタイプ・Bタイプともに、「使用者の氏名または名称」の欄には、車の使用者の個人名または法人名が記載されています。
Aタイプの自動車検査証(車検証)で所有者と使用者が同じ場合は、使用者の氏名欄に「***」と表記されているはずです。自動車ローンで購入した場合は、使用者欄に車を実際に購入して使用する方の氏名が書かれています。
所有者の住所・使用者の住所
Aタイプには、「所有者の住所」と「使用者の住所」の記入欄があります。それぞれ、個人または法人の住所が書かれています。
こちらもAタイプの場合、使用者と所有者の住所が同じであれば、「***」と表記されます。
Bタイプでは、「使用者の氏名」の下に「使用者の住所」が記載され、所有者の住所は備考欄に記載されています。
初度登録年月(初年度・年式)
「初度登録年月」とは、その車が運輸支局に最初に登録された年月のことです。軽自動車の場合は初度登録を行わないため「初度検査年月」の項目が同義にあたります。
初度登録年月は初めて登録した日なので、一度登録の抹消届を提出していたとしても変わりません。そのため、車の年式を知りたいときや、聞かれたときにはこの項目を確認しましょう。
また、初度登録年月を見れば、何年経過した車であるかが分かり、税金が高くなるタイミングかどうかを確認できます。車にかかる税金である自動車税と自動車重量税は、ガソリン車は13年経過のタイミング、ディーゼル車は11年経過のタイミングで重課されます。
自動車重量税が重課される理由はこちらの記事で詳細に解説していますのでご覧ください。
「車検は排気量や使用年数によって高くなる?高くなる理由や安く抑える方法を解説」
用途
「用途」の欄には、車の使用用途の区分として「乗用」「特種」「貨物」「乗合」のいずれかが記載されており、用途の区分によって自動車税額や車検の有効期間が異なります。
用途の右隣の欄の「自家用・事業用の別」は、「自家用」または「事業用」で区別されます。用途の左隣の欄の「自動車の種別」には、「普通」「小型」「軽自動車」「大型特殊」のいずれかの種別が記載されます。
登録年月日/交付年月日
「登録年月日/交付年月日」は、自動車検査証(車検証)が交付された年月日です。
車検(新規検査または継続検査)を受けた日や、自動車検査証(車検証)の内容を変更した日がここに書かれていますが、登録年月日は、初度登録年月(年式)と勘違いしやすいので注意しましょう。
型式
「型式」とは、車種やモデルを識別・分類するための記号のことです。アルファベットと数字の組み合わせで決められており、型式を見ると自動車の名称や構造・装置・排気量・性能などが識別できるようになっています。 型式の上部にある「車名」にはメーカー名が、「車台番号」には車両一台ずつに割り当てられた個別の識別番号がそれぞれ記載されています。
原動機の型式
型式の右隣にある「原動機の型式」とは、エンジンの型式のことです。4桁の英数字の組み合わせで表記されています。ただし、同じ年式・車種であっても、エンジンの型式が違う場合もあります。
なお、自動車検査証(車検証)に記載されている原動機の型式と、実際に搭載されているエンジンの型式が一緒でなければ車検には合格できません。
有効期間の満了日(車検の有効期限)
「有効期間の満了する日」に書かれている年月日は、車検の有効期限の日付です。
有効期限の満了日までは、公道を走行することが認められていますが、期限日以降も使用するためには車検(継続検査)を受ける必要があります。次回の車検は、有効期間満了日の1ヵ月前から受けられるため、車検の時期が分からなくなったときは、有効期間満了日を確認するようにしましょう。
車検の有効期限はこちらの記事で詳しく解説していますので、ご覧ください。
「車検の有効期限はいつ?車検費用が高くなるタイミングや期間延長についても解説」
総排気量又は定格出力(排気量)
「総排気量又は定格出力」の欄には、搭載されているエンジンの排気量、またはモーターの定格出力が書かれています。
排気量は一般的には「cc」で表記されますが、車検証では「L」単位で表記されています。例えば、1700ccの車の場合は1.7Lの表記です。モーターの場合は、定格出力を「kW」で表記しています。自動車税額や軽自動車税額は、この項目の数値によって決まります。
排気量に関してはこちらの記事で解説していますので、ご覧ください。
「車検は排気量や使用年数によって高くなる?高くなる理由や安く抑える方法を解説」
車両重量
「車両重量」とは、ガソリン、エンジンオイル、クーラント液などを満タンにして、人が乗車していない状態での重量のことです。車両重量によって、自動車重量税が算出されます。
なお、車両重量の右隣には「車両総重量」の項目がありますが、これは車両重量に乗車定員人数分の重さを加味したものです。乗車する1人あたり55kgとして計算されるため、仮に5人乗りの車であれば、車両重量プラス275kgの重さが車両総重量となります。
なお、重量税については、こちらの記事で解説していますので、ご参考ください。
「車検時の重量税とは?税額一覧表と計算方法を紹介」
3.自動車検査証(車検証)で確認すべきポイント
このように、自動車検査証(車検証)は見るだけで車両に関する多くの情報が分かりますが、すべての項目を把握するのは大変ですよね。
そこで本章では、ドライバーにとって直接関わりのある、自動車検査証(車検証)で確認すべきポイントを3つご紹介します。
有効期限の満了日は必ず確認する
車の所有者・使用者にとって、車検切れで公道を走行できなくなることは避けたい事態です。車検切れを起こさないよう、有効期限の満了日は必ず確認するようにしましょう。
万が一、車検が切れた状態で公道を走行すると、ドライバーに罰金や罰則が与えられてしまいます。罰則の詳しい内容は、こちらで解説しています。
「車検切れで知らずに運転した際の罰則は?免停期間や切れてしまった時の対処法も解説」
なお、車検の有効期限の満了日は、自動車検査証(車検証)で確認する以外に、車のフロントガラスに貼ってある車検シールでも確認できます。
車検シールの見方や、貼らなかったときの罰則、正しい貼り方などについては、こちらの記事もあわせて参考にしてみてください。
「車検シール(ステッカー)でわかること。正しい貼り方や再発行のやり方も解説」
初度登録年月で重課時期がわかる
車検の法定費用に含まれる自動車税と自動車重量税は、車の年式によって税額が変わります。なぜなら、古い車は環境負荷が大きいとされ、環境性能の高い新しい車よりも税金が高くなるからです。
具体的には、電気自動車やハイブリッドカーなどの車以外の自動車税は、初度登録から13年以上経つと約15%、18年以上で約20%の重課率となります。
また、自動車重量税の場合も、13年経過の車には約40%の重課、18年経過すると標準より約55%も高い税金が課せられます。
そのため、税金が高くなる前にエコカーに買い替えるなど、初度登録年月をしっかり認識しておくことで、税金の負担や環境への負荷を軽減することにもつながります。
4.自動車検査証(車検証)はどこに保管しておく?
自動車検査証(車検証)には、車の所有者情報や車両情報などが記載されており、運転する際には必ず携帯しなければならない大切な書類です。
万が一、紛失・盗難・水濡れ・汚損などしてしまうと、自動車検査証(車検証)の再発行が必要になります。再発行には手数料や手間もかかるため、水に濡れたり、紛失したりしないような場所に保管しておかなくてはなりません。
水濡れ防止には、チャック付きビニール袋や車検証入れ(車検証ケース)を用いると良いでしょう。販売店で車を購入した際に、付属品としてもらえることもあります。
自動車検査証(車検証)の保管場所として、助手席のダッシュボード下のグローブボックスを利用している方も多いのではないでしょうか。運転席からも近く、出し入れしやすい反面、何かの拍子に紛失してしまう可能性もゼロではありません。
グローブボックスが小さい場合や、普段は自動車検査証(車検証)を出し入れする機会があまりないという方であれば、車のトランクルームに保管すると紛失しにくいのでおすすめです。トランクルームは、基本的に防水になっているため、濡れる心配も少なくなります。
5.まとめ
自動車検査証(車検証)とは、車の所有者の個人情報や車両情報が書かれている大切な書類です。
自動車検査証(車検証)の見方が分かると、有効期限の満了日で次回の車検の時期が分かったり、初度登録年月で重課時期が分かったりと、便利に活用できます。すべての項目を覚える必要はないですが、ドライバーとして関わりのある項目は確認しておくようにしましょう。
また、車検切れを防ぐためにも車検の有効期限が近づいてきたら、早めの車検予約が必要です。車検は有効期限の1ヵ月前から受けられますが、繁忙期などは店頭が混雑することも考えられるため、2~3ヵ月前から見積もり依頼と早めの車検予約をしておくことをおすすめします。
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