車検のときは荷物を降ろすの?審査への影響などリスクを徹底解説
車検時には車内の荷物をすべて降ろすべきと言われますが、車内に多くの荷物があると積み降ろしは面倒ですし、実際には降ろさなくても問題がない荷物もあります。
そこで今回は、どのような荷物だったら積んだままでいいのか、荷物が車検に与える影響などを解説します。荷物のせいで車検で失敗するようなことがないよう、ぜひ最後までご覧ください。
1.車検のときは荷物を降ろす?
車検では、「検査時車両状態」でなければ完成検査を受けられないと決められています。検査時車両状態とは、空車状態の車に運転者1名(55kg)が乗車した状態のことです。空車状態とは、車の運行に必要な装備だけ積載されていて人が乗車していない状態を指しています。そのため、車検時は荷物を降ろした状態にしないといけません。
しかし実際には、車内にクッションや雑誌など少量の荷物が積まれていても車検を受けることができます。車検における車内の点検項目は、座席やシートベルト、発炎筒などのみで調べる項目が少なく、車内に少量の荷物が残っていても検査にはそれほどの影響は出ないためです。
ただし、重い荷物を積んでいると車検に通らないこともあるので注意が必要です。また、整備士の作業をスムーズに進めるうえでは、車内に一切荷物がないのが望ましい状態です。車検を出す側のマナーとしても、車内にはなるべく荷物を残さないようにしましょう。
2.車検のときに荷物を積んだままにするリスク
少しの荷物だから問題ないと判断して荷物を積んだままにしておくと、思わぬリスクが発生することがあります。想定される3つのリスクをご紹介します。
荷物の紛失や破損の恐れがある
荷物が乗っていて検査の妨げになる場合、検査の途中でいったん荷物を車外に降ろすことがあります。その際、紛失や破損、汚れなどが発生する恐れがあります。もちろん、整備士は荷物に細心の注意を払っていますが、リスクをゼロにすることは難しいでしょう。貴重品や紛失したら困るものはできるだけ事前に降ろしておくようにしましょう。
何らかの事情があって荷物を車内に残さなくてはならないけれど紛失が心配という場合は、車検の担当者に相談してみましょう。担当者によっては荷物リストを作成するなどの紛失対策をしてくれる場合があります。
車検の審査に落ちる可能性がある
重い荷物を積んでいると、車の左右のバランスが崩れたり車体が沈み込んだりして、以下のような影響が発生する可能性があります。
- ヘッドライト検査で光軸がずれる
- ブレーキのバランスが崩れる
- 最低地上高(車高)が基準の9cmより低くなる
上記のような状態が確認されると車検には通りません。重量が大きい荷物は必ず降ろしておくようにしましょう。特にトランクの中は確認を忘れやすいので注意が必要です。
最低地上高は以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
「車検に通る車高の最低地上高の基準は?測り方、車検時のポイントを解説」
車内清掃などのサービスを受けられない
車検業者によっては、車内の床や座席などの清掃サービスをしてくれるところもあります。基本的には荷物を降ろしてから清掃をしてくれますが、クレームになるリスクを避けるため、荷物がある場合は清掃サービスをしない車検業者もあります。
また、清掃サービスをしてくれたとしても荷物の積み降ろしに時間がかかってしまう可能性もあります。スムーズに車検を終えるためにも、できるだけ荷物は降ろしておきましょう。
3.車検のときに注意すべき荷物一覧
車検のときに荷物を降ろすべきかどうか、具体的な荷物を例に挙げて注意点を解説します。
ぬいぐるみ
ぬいぐるみは大きさにもよりますが、数個であれば、車検に影響する可能性は低いでしょう。ただし、ドライバーの視界を遮るような場所に置いてはいけませんし、視界を妨げない場所でも、ぬいぐるみの数が多いと検査の邪魔になることもあります。また、作業の際に検査員が誤って床に落としたり踏んだりしてしまう可能性もあります。大切なぬいぐるみであれば事前に車外に出し、不要なリスクを避けましょう。
チャイルドシート
6歳未満の子どもは道路交通法によりチャイルドシートの着用が義務付けられています。違反しても罰則や罰金は科せられませんが、運転手に対して交通違反点数1点が加算されます。
チャイルドシートは車検の検査項目には入っていないので、取り付けていても外していても問題ありません。しかし、代車を借りる場合はチャイルドシートが付いていないことがほとんどです。そのため、チャイルドシートを外しておかないと子どもと代車で出かけられなくなってしまいます。また、保育園などの送迎などにも影響する可能性があります。車検期間中だけレンタルするという方法もありますが、余計な費用をかけないためにも、チャイルドシートは取り外したほうが良いでしょう。
チャイルドシートに関しては以下の記事で詳しく解説しています。
「車検前にチャイルドシートやベビーカーの取り外しは必要?」
商用車に積んでいる重い道具
トラックやバンなどの商用車は荷物を運ぶことを目的としているので、自家用車よりも大量の荷物や道具が積み込まれています。自家用車に比べると重いものが多く、積み降ろしが面倒になりますが、最低地上高の検査があることを考えると、これらの重い道具はすべて降ろしておいたほうが良いでしょう。
また、商用車は精密機器や重要な書類を積んでいる場合もあります。紛失や破損などを防ぐためにも、荷物はすべて降ろすことをおすすめします。
トランクの荷物
トランクには重い荷物を置くことが多いですが、車のバランスや最低地上高に影響するような荷物を置いてはいけません。また、軽い荷物であればほぼ車検に影響はないと思われますが、軽い荷物でも大量に積んであると検査の邪魔になる可能性があるので、トランク内の荷物もできるだけ外に出しておくようにしましょう。
ちなみに、トランクなどに積んである荷物の重さで、重量税が変わるのではないかと心配する方がいますが、車内にどれだけ荷物を積んでいたとしても重量税は変わりません。重量税は車両重量によって決められます。車両重量とはメーカーが車を製造した時の重さであり、車内の荷物の重さが関係することはありません。
ダッシュボード上に置いている小物
ダッシュボードの上はすぐに手が届く位置のため、ティッシュなどの小物を置くことが多い場所です。また、外から見えやすいので人形などでデコレーションをしたくなる場所でもあります。スポーツカーに乗っている方であれば、水温などの追加メーターを設置している方も多いでしょう。
しかし、ダッシュボードの上に物を置くと視界不良で車検に落ちる可能性があります。ダッシュボードの上に物を置く場合は、国土交通省の定める保安基準に適合させなくてはいけません。保安基準に適合させるには、自動車の前方2mにある高さ1m、直径0.3mの円柱を鏡などを用いず直接視認できる必要があります。
また、ダッシュボードにはエアバックが設置されていますが、エアバッグが展開された際に上に物が乗っていると、それが飛んで怪我をする可能性があります。最近はダッシュボードが丸みを帯びており、上に何も置けないような対策がされている車も多くみられますが、吸盤などで張り付けるスマートフォンのスタンドなど、ダッシュボードの形状に関わらず設置可能なものもあります。どうしてもダッシュボードに物を置くのであれば、視界を確保したうえでエアバッグを避ける位置に置くようにしましょう。
座席の下の荷物
座席の下は座っている時には邪魔にならないので、ついつい荷物を置いてしまう場所です。しかし、助手席の足元にある発炎筒の検査の時などに座席の下の荷物が邪魔になり、仕方なく荷物を動かす場合があります。紛失や汚れを防いだり、座席の検査をスムーズにしたりするためには、できるだけ座席の下に物は置かないほうが良いでしょう。
4.まとめ
車検時の車は、空車状態に運転者1名が乗車した「検査時車両状態」であることと定められています。そのため、運転に必要な装備以外は原則乗せてはいけませんが、車のバランスや最低地上高に影響が出ない重さの荷物であれば問題にはなりません。ただし、荷物を積んでいると紛失や汚れのリスクがあり、車内清掃のサービスを受けられない可能性もあります。作業をスムーズに進めてもらうためにも、車内の荷物はなるべく降ろすようにしましょう。
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