車検の有効期限はいつ?
車検費用が高くなるタイミングや期間延長についても解説
車を運転するために欠かせない車検には、有効期限があります。車検の有効期限は、車両重量や排気量によって異なるため、正確に認識しておくことが大切です。
本記事では、自動車ごとの車検の有効期限と確認方法、有効期限が切れてしまった場合の対処法、有効期限を延長できる特例措置について解説します。
車検費用が高くなるタイミングや増額率もご紹介しているので、車検の時期が近づいている方は、ぜひ参考にしてください。
1.車検の有効期限はいつ?年数の間隔は?
車検の有効期限は、新車のときと初回以降で年数が異なります。また、車両重量や排気量の条件によっても間隔が少しずつ違います。
まずは、自家用乗用車、8ナンバー車、バイク(250cc以上)の3つの種別ごとの有効期限を確認していきましょう。
自家用乗用車の場合
自家用乗用車の車検の有効期限は、新車登録時が3年です。2回目以降と中古車の場合は、何年乗っても2年おきです。
事業用などではなく、個人・家庭で利用する普通乗用車(3ナンバー)、小型乗用車(5ナンバー・7ナンバー)、軽自動車が、自家用乗用車に該当します。
8ナンバー車の場合
8ナンバー車とは、特種用途自動車に分類される車です。次のような車両として、使用者が公安委員会へ届け出たものが8ナンバー車に該当します。
【緊急自動車】
救急車、消防車、警察車、緊急警備車、防衛省車、電力会社・ガス会社・水道会社などの公共応急作業車 など
【特定事業車】
給水車、採血車、郵便車、図書館者、教習車、霊柩車、放送中継車 など
【そのほかの使用目的の車両】
タンク車、コンクリートミキサー車、冷蔵冷凍車、現金輸送車、ボートトレーラー、車いす移動車、消毒車、ボイラー車、クレーン車、積載車、清掃車、キャンピング車、放送宣伝車 など
出典:道路交通法施行令(昭和 35 年 10 月 11 日政令第 270 号)抜粋、自動車の用途等の区分について(依命通達)
8ナンバー車の車検の有効期限は、次のとおりです。
| 車種 | 有効期限 (初回) |
有効期限 (2回目以降) |
車両例 |
|---|---|---|---|
| 自家用特種普通・ 小型車 |
2 | 2 | キャンピングカーなど |
| 自家用特種貨物車 (車両総重量8トン以上) |
1 | 1 | 給油車、 タンク車 など |
| 自家用特種貨物車 (車両総重量8トン未満) |
2 | 1 |
自家用特種普通・小型車の車検の有効期限は、新規登録時であっても2年です。2回目以降は自家用乗用車と同じく、車齢に関わらず2年です。
国や公共の自動車だけでなく、キャンピングカーや車椅子移動車など、自家用で利用する車も8ナンバー車(特種用途自動車)に該当するため注意が必要です。
2.車検の有効期限年数の確認方法
車検の有効期限は車1台ごとに異なるため、自分の車の有効期限を正確に把握しておかなければなりません。
有効期限の確認方法は2種類あり、自動車検査証(車検証)で確認するか、車のフロントガラスに貼ってある車検シールで確認できます。
車検が切れると公道を走行できなくなるため、有効期限を忘れないように手帳やカレンダーアプリなどにメモしておくと良いでしょう。
自動車検査証(車検証)の見方や車検シールに関する詳細は、こちらの記事で解説しています。
「車検シール(ステッカー)でわかること。正しい貼り方や再発行のやり方も解説」
「車検証の正しい見方とは?種類や確認すべきポイントを解説」
3.車検は有効期限が切れる前に受けよう
万が一、車検の有効期限が切れてしまうと、次のようなリスクがあります。
もしも車検の有効期限が切れてしまったら
車検が切れた状態で公道を走行すると、道路運送車両法違反により、下記の罰則が科せられる可能性があります。
- 違反点数6点
- 30日間の免許停止
- 6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金
公道ではない私有地を走行する場合や、車庫などに保管している状態であれば違反にはなりません。
車検切れの罰則について詳しく知りたい方は、こちらもあわせてご覧ください。
「車検切れで知らずに運転した際の罰則は?免停期間や切れてしまった時の対処法も解説」
車検が切れたらいつまで運転できる?
車検の有効期限が切れると、切れたその日から公道を運転できなくなります。
車検が切れたあとに、車検業者や運輸支局の車検場などへ持ち込むためには、積載車を用意して車を移動させるか、市区町村の役所にて仮ナンバーを取得する必要があります。
仮ナンバーがあれば数日間は運転できますが、申請の手間や費用がかかってしまうため、車検の有効期限切れには十分注意しましょう。
継続車検は、有効期間満了日の1ヵ月ほど前から受けられます。満了日の1ヵ月前以降であれば、いつ受けても有効期限は次の2年後になるため、早めに受けても問題ありません。
期限切れにならないためにも、車検の1~2ヵ月前から予約や書類準備を始めておきましょう。
「車検切れの車に乗れるようにするには?費用、売却や廃車の方法も解説」
4.車検費用が高くなるタイミングと増額率
車検の有効期限は、新規登録時以外は2年おきにやってきますが、ある年数を超えると、車検費用が高くなります。
車検費用が高くなる理由は、長い年数を経過した車はエコカー減税対象外になり、自動車税と自動車重量税が重課されるからです。エコカー減税とは、国が定めた排出ガスと燃費の基準を満たした車に適用される減税制度のことです。
ガソリン車とディーゼル車では、車検費用が高くなるタイミングと増額率が異なるため、それぞれを詳しく解説します。
ガソリン車
ガソリン車は、初年度登録から13年経過・18年経過のタイミングで車検費用が高くなります。
これは、13年経過・18年経過のタイミングで、自動車税(軽自動車は軽自動車税)と自動車重量税が重課されるためです。
自動車税と自動車重量税の増税額と増税率については、次の表をご参照ください。
【ガソリン車の自動車税(軽自動車は軽自動車税)の増税率(2018年度分の例)】
| 13年未満 | 13年目以降の税額 (約15%増) |
18年目以降の税額 (約20%増) |
|
|---|---|---|---|
| 排気量 1,000cc以下 |
29,500円 | 約34,000円 | 約35,400円 |
| 排気量 1,500cc以下 |
34,500円 | 約40,000円 | 約41,400円 |
| 排気量 2,000cc以下 |
39,500円 | 約45,500円 | 約47,400円 |
| 排気量 2,500cc以下 |
45,000円 | 約52,000円 | 約54,000円 |
| 排気量 3,000cc以下 |
51,000円 | 約59,000円 | 約61,200円 |
ガソリン車の自動車税は、13年目以降で約15%、18年目以降で約20%重課します。新規登録年月から12年11ヵ月以後に車検を受けるタイミングが13年経過に該当します。
【ガソリン車の自動車重量税】
| 車両重量 | 標準税額 | 13年目以降の税額 (約40%増) |
18年目以降の税額 (約55%増) |
|---|---|---|---|
| ~0.5トン | 8,200円 | 11,400円 | 12,600円 |
| ~1トン | 16,400円 | 22,800円 | 25,200円 |
| ~1.5トン | 24,600円 | 34,200円 | 37,800円 |
| ~2.0トン | 32,800円 | 45,600円 | 50,400円 |
| ~2.5トン | 41,000円 | 57,000円 | 63,000円 |
| ~3トン | 49,200円 | 68,400円 | 75,600円 |
自動車重量税は、13年経過のタイミングで約40%、18年経過で約55%の増税率となります。
また、年式や走行距離に応じて、車検時の部品交換や修理が必要な箇所も増えてきます。そのため、車検費用は13年目以降に急激に高くなると認識しておきましょう。
ディーゼル車
ディーゼル車の自動車税は、ガソリン車よりも2年早いタイミングで増税します。
【ディーゼル車の自動車税(軽自動車は軽自動車税)の増税率(2018年度分の例)】
| 11年未満 | 11年目以降の税額 (約15%増) |
18年目以降の税額 (約20%増) |
|
|---|---|---|---|
| 排気量1,000cc以下 | 29,500円 | 約34,000円 | 約35,400円 |
| 排気量1,500cc以下 | 34,500円 | 約40,000円 | 約41,400円 |
| 排気量2,000cc以下 | 39,500円 | 約45,500円 | 約47,400円 |
| 排気量2,500cc以下 | 45,000円 | 約52,000円 | 約54,000円 |
| 排気量3,000cc以下 | 51,000円 | 約59,000円 | 約61,200円 |
新規登録から11年目以降に約15%の増税、18年目に20%の増税となります。
ガソリン車よりも増税のタイミングが早い理由は、ディーゼル車の排出ガスの方が、年式の古さによる環境への影響が大きいからです。
なお、以前までは、ディーゼル車は新規登録時の自動車取得税と自動車重量税が免税されるなど、ガソリン車よりも新規登録時の税制面で優遇されていました。
しかし、2020年12月に閣議決定された令和3年度税制改正の大綱にて、燃費基準の達成状況や普及の状況を考慮し、新規登録であってもガソリン車と同等と改められました。
今後は、電気自動車やハイブリッドカーなどの普及が期待されているため、ディーゼル車への優遇措置も減少傾向にあると考えられます。
5.車検期間の延長はできる?
有効期限を守らないと罰則の可能性もある車検ですが、自然災害などのやむを得ない状況においては、車検期間の延長ができる場合があります。法令で、下記のように定められています。
第61条の2「国土交通大臣は、一定の地域に使用の本拠の位置を有する自動車の使用者が、天災その他やむを得ない事由により、継続検査を受けることができないと認めるときは、当該地域に使用の本拠の位置を有する自動車の自動車検査証の有効期間を、期間を定めて伸長する旨を公示することができる。」
引用元:道路運送車両法 | e-Gov法令検索
直近では、新型コロナウイルス感染症対策のために、2021年3月時点で4回の期間延長措置が実施されています。
そのほかにも、令和2年7月の熊本県を中心に発生した豪雨災害などでも、車検期間の延長が適用されました。
延長期間は1~2ヵ月ほどで、そのあいだは車検猶予期間となり、通常どおり走行できます。
今後も同じような期間延長措置があるかもしれないので、国土情報や報道発表をこまめに確認するようにしましょう。
「【2023年度】車検は延長できる?延長できる事例や車検切れの対処方法を解説」
6.まとめ
車検の有効期限は、自家用乗用車の新車の場合で3年、2回目以降は2年と決められています。車検が切れた状態では公道を走行できなくなるため、有効期限内に受けるようにしましょう。
なお、車は初年度登録から年数が経過すると、自動車税や自動車重量税が重課されます。年式が古くなると車検費用が高くなることを認識しておくと、急な出費に慌てずに済むはずです。
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