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基礎知識
2022/06/30

車検で任意保険(自動車保険)・保険証券について聞かれた!
車検との関係性について解説

車検で任意保険(自動車保険)・保険証券について聞かれた!車検との関係性について解説

車検の時に任意保険証券(自動車保険証券)の有無を店舗の方に聞かれることがありますが、車検には必要ありません。しかし、代車を借りる場合や任意保険(自動車保険)の契約内容によっては提示する意味があります。

ここでは、任意保険証券の提示を求められる理由や、車検の時に必要な自動車損害賠償責任保険証明書との違いについて詳しく解説します。

1.車検で任意保険証券の提示を求められる理由

車検で任意保険証券の提示を求められる理由

車検の予約の際、「来店時に任意保険証券を持ってきてください」と言われたり、見積もり時に任意保険証券の提示を求められたりすることがあります。

提示を求められるということは、車検に必要な書類の一部なのだろうと思ってしまうかもしれませんが、提出が義務付けられているのは自動車損害賠償責任保険証明書のみで、任意保険証券は車検の手続きにはまったく必要ありません。したがって、車検を依頼した車検業者や整備工場に任意保険証券を提示する義務はありません。

ではなぜ、任意保険証券の提示を求められるのでしょうか。

加入している保険について知るため

任意保険証券の提示を求められる一つの理由は、日頃あまり意識する機会が少ない任意保険の補償内容や契約内容を確認してもらうことです。補償内容や月々の料金などを再確認し、保険に関する疑問や不満を解消する目的があります。

整備工場やディーラー、大手中古車販売店などは任意保険にも詳しいので、保険料と補償内容が釣り合っているか、もっと自分に合った保険はないのかと気になっている場合は相談してみても良いでしょう。

他車運転特約の有無について知るため

車検でマイカーを預けている間、代車を借りる方も多いと思います。万が一、代車で事故を起こした時に使えるのが「他車運転特約」です。もちろん代車にも任意保険はかけられていますが、最低限の補償内容に留められていることが多く、十分な補償が得られない可能性があります。しかし他車運転特約に加入していれば、事故を起こした方が自身で加入している保険を使うことができます。

事故が起きてから賠償の方法などでトラブルになると大変です。車検で代車を借りる前には代車の任意保険の契約内容を確認してもらいつつ、自身の保険のほか他車運転特約の有無や補償内容も確認してもらいましょう。

2.任意保険と自賠責保険の違い

車検の際、任意保険証券の提示は義務ではないとお伝えしましたが、自動車損害賠償責任保険証明書は必ず提示する必要があります。

自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)は、自動車損害賠償保障法により公道を走るすべての車に加入が義務付けられています。その性質から強制保険ともいわれます。未加入の車を運転した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金、さらに違反点数6点が加算され免許停止処分が下されます。

自賠責保険は新車購入時に加入し、車検のタイミングで更新する仕組みです。そのため車検時には自動車損害賠償責任保険証明書が必要となるのですが、基本的に自動車損害賠償責任保険証明書は車とともに携行する義務があるため、ほとんどの場合は常に車内に保管されているはずです。

ところで、自賠責保険に加入しているのになぜ任意保険にも加入する必要があるのでしょうか? その必要性を知るために、自賠責保険と任意保険の違いについて見てみましょう。

適用範囲

まず、任意保険と自賠責保険の適用範囲を見てみます。

相手への補償 自分への補償
対人 対物・対車 自身の死傷 対物・対車
任意保険 無制限 無制限 あり あり
自賠責保険 傷害
120万円まで
死亡
3,000万円まで
後遺障害
4,000万円まで
なし なし なし

任意保険と自賠責保険では、保険の適用範囲に大きな違いがあるのがわかります。

自賠責保険は交通事故に遭ってしまった被害者を救済するためのものです。加害者になってしまった方に経済力がなかった場合でも、最低限の対人賠償を行えるように設計されています。そのため、自賠責保険には対物・対車の補償は含まれていません。また対人補償も傷害事故の場合120万円まで、死亡事故の場合3,000万円まで、後遺障害が残ってしまった場合4,000万円までと、補償支払い限度額が決められています。

一方、任意保険では交通事故を起こしてしまった場合、被害者側への対人・対物補償の支払い限度額は無制限に設定できます。

一見、自賠責保険の補償額でも十分な額に感じるかもしれませんが、交通事故を起こしてしまった場合、自賠責保険の補償額をはるかに超える高額な損害賠償額を請求されるケースも多くあります。そのような場合でも、無制限対人賠償の任意保険に加入していれば、きちんと被害者の方に賠償金を支払うことができます。

さらに、無人の車にぶつけてしまった場合や民家の塀などにぶつけてしまった場合、自賠責保険では補償されませんが、任意保険なら対物補償でまかなえます。

補償範囲

次に補償範囲の違いについて確認してみましょう。

任意保険 自賠責保険
①人身傷害保険 ◎(無制限) ×
②搭乗者傷害保険 ×
③無保険車傷害保険 ◎(無制限) ×
④自損事故保険 ×
⑤車両保険 ×
⑥対人賠償保険 ◎(無制限) ○(限度額あり)
⑦対物賠償保険 ◎(無制限) ×
⑧その他 ◯(任意) ×
自賠責保険
前述のとおり自賠責保険は被害者救済制度として設けられたものなので、加害者となってしまったドライバー本人や同乗者の怪我などの補償はありません。 自賠責保険の保険料や補償内容について詳しく知りたい場合は、以下の記事もぜひ併せてご覧ください。
play_arrow 「車検時に自賠責保険が必要な理由とは?保険の期間・なくした場合についても紹介」
人身傷害保険と搭乗者傷害保険
人身傷害保険と搭乗者傷害保険は、ドライバーや同乗者が事故により死傷した場合の費用などを補償する保険です。保険の種類によっては、歩行中に事故に遭った場合など、車に乗っていない時の事故も補償内容に含まれます。
無保険車傷害保険
無保険車傷害保険は、自動車事故の被害者側になった場合に必要な保険です。万が一、加害者側のドライバーが任意保険に未加入で支払能力がなく、損害賠償を受けられない時に補償される仕組みです。
車両保険
車両保険は、車をぶつけてしまった場合や盗難被害に遭った場合などに補償される保険です。
自損事故保険
自損事故保険は、相手のいない交通事故、例えばハンドル操作を誤ってガードレールに衝突してしまった場合やスリップして崖から転落した場合などに適用されます。任意保険では節約のために車両保険を外すことも可能ですが、自損事故で車両に起きた損害は自損事故保険では補償されませんのでご注意ください。
対人賠償保険・対物賠償保険
対人賠償保険・対物賠償保険は自分が交通事故の加害者側になってしまった場合に相手側に賠償するための保険で、任意保険の対人賠償は自賠責保険での補償額限度額を超えた場合に支払われます。
任意保険の付帯サービス
任意保険には、ガス欠や事故時の積載車による移動などのロードサービス、事故に遭った時の示談交渉サービスなどを付帯させることもできます。

3.まとめ

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