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基礎知識
2022/06/30

車検とは?目的や費用、必要な書類まで徹底解説

車検とは?目的や費用、必要な書類まで徹底解説

車検とは「自動車検査登録制度」の略称で、車が安全面や環境面にまつわる基準をクリアできているのかを確認する制度です。法定点検とは異なるものであり、厳密には4種類に分かれています。

本記事では、車検の概要や目的、必要な費用や書類、受けないとどうなるのか、有効期限の確認や具体的に申し込む際の流れまで、車検にまつわるさまざまな内容を解説します。

1.車検とは

車検とは

車検とは「車両が安全面や環境面にまつわる所定の基準を満たしているか」を確認する検査です。正式名称は「自動車検査登録制度」で、車検に合格していない車は公道を走る資格が失われます(小型特殊車など一部例外のみ除く)。

車検の義務や目的

車検は「道路運送車両法」により義務付けられた検査です。道路運送車両法の目的は大きく以下の5つに分かれており、全体として公共の福祉に寄与するために実施されています。

  • 車の所有者の明確化
  • 車の安全性の確保
  • 公害の防止と環境の保全
  • 整備技術の向上
  • 自動車整備事業の発達

参考:e-Gov「道路運送車両法」より抜粋・改変

実際の検査では、タイヤやブレーキなど安全な走行にまつわる項目や、排気ガスの成分量など環境面に関わる内容が確認されます。

車検と法定点検の違い

車検と混同されがちな制度に「法定点検」があります。法定点検は定期点検とも呼ばれる、車のトラブルを未然に防ぐための点検です。自家用車の場合は12ヵ月点検(1年点検)と24ヵ月点検(2年点検)に分かれており、車検同様に法律で義務付けられています。ただし、こちらは受けなくても罰則はありません。

車検が基準に対する合否を判別する制度であるのに対して、法定点検は問題につながりそうな箇所がないかを事前に点検、整備することを目的としています。法定点検は以下の記事でも解説していますのでご確認ください。
play_arrow 「法定24ヵ月点検とは?車検との違いや検査56項目一覧、費用目安を解説」
play_arrow 「車検と法定点検・12ヶ月点検の違いは?検査項目やいつ行うのかを解説」

車検の種類

車検は実際には以下の4種類に大別できます。

継続検査

私たちにとって最も身近な存在が継続検査で、一般的な「車検」とはこの継続検査を指しています。「新規検査」の有効期限(通常3年間)が切れたあとから始まります。自家用乗用車の場合、初回検査後も2年ごとに再検査し、その都度合格するよう義務付けられています。

新規検査

新規検査とは、新たに車を所有し公道を走行したいときに受ける車検です。ディーラーや大手中古車販売店などが代行してくれるケースも多いため、あまり聞き慣れないかもしれません。新車か中古車(一度、使用の中断手続きをした車)かにより必要書類が変わるほか、有効期限も新車は3年間、中古車は2年間と異なります。

予備検査

車の中古売買に関わる方が知っておきたいのが予備検査です。予備検査とはナンバープレートのない車が受ける車検で、合格すると「自動車予備検査証」が受け取れます。自動車予備検査証の有効期限は、3ヵ月間です。自動車予備検査証があると車検を受ける必要がなくなり、車両登録の手続きも行えるようになります。2年間の車検有効期間が最初からついている中古車のような扱いとなります。車検に合格できる質の良い車という証明にもなるため、信頼性の確認といった意味合いで活用されています。

構造等変更検査

構造等変更検査は、車に改造を施した際に必要となる車検です。具体的には、車の長さ・幅・高さ・車両重量などを以下の範囲を超えて変更した場合にのみ検索を受けます。

  • 長さ:±3cm
  • 幅:±2cm
  • 高さ:±4cm
  • 車両重量:小型自動車と軽自動車は±50kg。普通自動車と大型特殊は±100kg。

出典:国土交通省「構造等変更検査」

この範囲に収まる軽微な変更であれば、構造等変更検査を受ける必要はありません。

2.車検にかかる費用

車検で必要な費用は、「法定費用(自動車重量税・自賠責保険料・印紙代)」と「車検業者への手数料」に分かれています。

法定費用とは、車検の形式(車検業者への依頼かユーザー車検か)を問わず、必ずかかる費用です。それぞれの概要と、おおよその金額は以下のとおりです。

【法定費用】

名称 概要 おおよその金額
自動車
重量税
新車の購入時や車検時に支払う税金。
車種や購入年数、エコカーかどうかで金額が変動する。
エコカー:5,000円~
エコカー外(乗用車):8,200円~
自賠責
保険料
別名「強制保険」。
どの保険会社で加入しても料金は一律。
普通自動車かつ24ヵ月分:20,610円
軽自動車かつ24ヵ月分:20,310円
検査手数料
(印紙代)
国や自動車技術総合機構への手数料。 普通自動車かつ持ち込み検査:2,300円
軽自動車かつ持ち込み検査:2,200円

一方、車検業者への手数料は、ディーラーや大手中古車販売店に依頼した場合にかかる費用です。車の状態を丁寧にチェックする点検代や、各種書類の作成代行料金などが含まれています。

法定料金と合算した車検業者タイプ別の車検相場は以下のとおりです。

【車検業者への手数料】

車検業者 車検相場
ディーラー 軽自動車:50,000円〜70,000円
普通車:100,000円〜120,000円
整備工場 軽自動車:50,000円〜70,000円
普通車:75,000円〜100,000円
大手中古車販売店 軽自動車:45,000円〜60,000円
普通車:55,000円〜70,000円
車検専門店 軽自動車:40,000円〜60,000円
普通車:50,000円〜80,000円
ガソリンスタンド 軽自動車:40,000円〜60,000円
普通車:60,000円〜80,000円

3.車検の有効期限

続いて、車検の有効期限にまつわる内容を確認していきましょう。

車種ごとに有効期限は異なる

車検の有効期限は、「車種」と「初回の車検かどうか」によって異なります。期限はいずれも道路運送車両法第六十一条にて明記されています。車種ごとの車検有効期間は以下のとおりです。

【車検の有効期間】

車種 初回検査 2回目以降の検査
自家用乗用車 3年 2年
軽乗用車 3年 2年
小型二輪(250ccを超えるもの) 3年 2年
特殊普通・小型自動車
(キャンピングカーなど)
2年 2年
貨物自動車 8t以上:1年
8t未満:2年
8t以上:1年
8t未満:1年
旅客自動車
(バスやタクシーなど)
1年 1年

車検はいつから受けられるの?

実は、車検は有効期限満了日の前であればいつからでも受けられます。2週間前や1ヵ月前はもちろん、例えば半年前に受けてしまうことも理論上は可能です。

ただし、現在の満了日(有効期限)より30日以上早く車検を受けると、次回の満了日が合格日から2年に変更されます(一般的な乗用車の場合)。有効期間を損してしまうため、基本的には「満了日まで1ヵ月以内」に受けるのがおすすめです。

車検の期間についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
play_arrow 「車検の期間はいつからいつまで?有効期限や満了日の何日目から出せるのか解説」

満了日(有効期限)の確認方法

車検の満了日は、車検証か車に貼っている検査標章(車検シール)で確認できます。「有効期間の満了する日」などと記載されている日が有効期限です。記載されている日付の当日中は効力があり、翌日からは公道を走ってはいけません。

車検満了日の確認方法はこちらの記事で詳しく解説しています。
play_arrow 「車検の期限に注意!満了日の確認方法、間に合わない場合の方法を解説」

期限までに車検を受けなかったら?

前述のとおり、車検は公道を走るために必須の検査です。万が一期限が切れてしまった場合には、車検切れ自体は違法ではないものの、公道を走行すると道路運送車両法に抵触し、以下の罰則が科されます。

  • 違反点数6点
  • 6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金
  • 30日間の免許停止処分

さらに、自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)も切れていた場合にはより重大な罰則が発生します。詳細は以下の記事でご確認ください。
play_arrow 「車検切れで知らずに運転した際の罰則は?免停期間や切れてしまった時の対処法も解説」

4.車検を受けられる場所

身近で車検を受けられる場所は多数あります。代表的な車検業者は以下のとおりです。事前に予約をしたうえで訪問しましょう。

  • 大手中古車販売店
  • ガソリンスタンド
  • ディーラー
  • 整備工場
  • 車検専門店

車検予約の詳細は以下の記事で解説しています。
play_arrow 「【種類別】車検予約の流れと必要な書類、注意点を解説」

また、車検業者に依頼せず自ら車検を行う「ユーザー車検」の場合は、最寄りの運輸支局などに自分で車を持ち込む形となります。こちらも詳細は以下で解説しています。
play_arrow 「ユーザー車検とは?一般的な車検との違いやメリット、流れを解説」

5.車検の検査項目

車検の検査項目は全56項目です。いずれも走行の安全性や環境への影響に関連する内容で、大きく以下の8つの検査に分かれています。

  • 同一性の確認
  • 外廻り検査
  • サイドスリップ検査
  • ブレーキ検査
  • スピードメーター検査
  • ヘッドライト検査
  • 排気ガス検査
  • 下廻り検査

ユーザー車検でも車検業者に依頼しても車検の検査項目は同じです。ただし、大手中古車販売店やディーラーなどに持ち込んだ場合は、必須項目以外の部分までプロの視点でしっかり点検してもらえます。

前回の車検で指摘された箇所や、現在気になっている箇所が車検通過に影響する可能性もあります。こちらの記事を参考に、各検査の詳細も併せて確認してみましょう。
play_arrow 「法定24ヵ月点検とは?車検との違いや検査56項目一覧、費用目安を解説」

6.車検に必要な書類や用意するもの

車検では以下の3つの書類と、場合によっては印鑑や身分証明書が必要となります。

自動車検査証(車検証)

自動車検査証は、いわゆる車検証のことです。現在の車検の満了日や車両番号、車の種別や使用者の氏名、住所に至るまで、幅広い項目が記載されています。車検時に持参するのはもちろんですが、そもそも車を運転する際に車検証を携帯することは、道路運送車両法の第六十六条で義務付けられています。自動車検査証を一度も触った覚えがない場合、車のグローブボックス(助手席の前のスペース)に入っていることがよくあります。

以下の記事では自動車検査証の見方について詳しく解説しています。併せてご覧ください。
play_arrow 「自動車検査証(車検証)の正しい見方とは?種類や確認すべきポイントを解説」

自動車損害賠償責任保険証明書

自動車損害賠償責任保険証明書とは、強制保険である「自賠責保険」の加入証明書を指します。車検証と同様、車の運転時に必ず携帯しなければならない書類で、こちらは自動車損害賠償保障法で定められています。項目には、登録番号や氏名、保険の有効期限などが記載されています。ファイルにまとめるなどして車検証と一緒に保管されているケースが一般的です。

自動車税(種別割)納税証明書

自動車税納税証明書は、自動車税をきちんと納めていることが確認できる書類です。軽自動車の場合は「軽自動車税(種別割)納税通知書」と名称が異なります。

車検は自動車税が未納の場合には受けられません。最寄りの自治体や税務署から届く「自動車納税通知書」に従い税金を支払い、支払後に受け取れる控え(自動車税納税証明書)を提示する必要があります。ただし最近では、自治体によってオンラインで納税状況を確認してもらえるため、例外的に自動車税納(種別割)税証明書が不要なケースもあります。例えば東京なら、普通車かつすでに自動車税の納付から10日以上経っている場合はオンライン確認でOKです。

印鑑や身分証明書

手続きをスムーズに進めるために、身分証明書(一般的には免許証)と印鑑も持参しておきましょう。近頃は車検に印鑑が不要なケースも増えているものの、まだまだ依頼する車検業者独自のルールで押印を求められることもあります。二度手間となってしまわないよう、免許証と合わせて用意しておくと安心です。

印鑑についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
play_arrow 「車検に印鑑は必要?必要なケースや認印について解説」

7.車検の流れ

車検業者に依頼する車検の場合、おおまかな流れは以下のとおりです。

STEP1:複数の車検業者に対して車検見積もりを依頼する
STEP2:見積もり内容から申し込みたい車検業者を決定する
STEP3:車の受け渡し日や車検日など、具体的な日程を予約する
STEP4:点検および車検終了後、愛車と車検証を受け取る

ほとんどの作業を車検業者に任せられるため、利用者側の作業は車検業者選定や日程の決定が主となります。より詳細な流れは以下の記事でも解説しています。
play_arrow 「車検の流れを徹底解説!準備から完了までの手順・やり方をわかりやすく解説」

8.まとめ

車検において知っておくべき項目は多岐にわたります。具体的な検査項目を把握し車を点検整備したり、必要な費用を計算したりといった手続きをすべて自分で進めるのは困難です。

WECARSは全国にネットワークを持ち、全メーカー・全車種の車検を取り扱っています。点検や整備を行うのは経験豊富な整備士たちです。車検の検査項目だけでは明らかにならない不調も未然に発見します。まずはぜひ、無料見積りからお申し込みください。

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