1.車検に通らないよくある12の理由

国が決めた基準を一つでも満たしていない車は車検に合格できません。不合格になる理由はさまざまで、整備不良や不正改造はもちろん、税金や罰則金の未払いなど、12の理由に分けられます。その理由を一つずつ解説します。

最低地上高（車高）が確保されていない

最低地上高は一般的に車高と呼ばれ、地面から車体までの距離を指しています。車高の基準は9cm以上と決められているので、確保されていなければ車検に合格できません。車体を低く改造している場合は、車検前に車高を戻しておきましょう。

以下の記事では、車検をクリアする最低地上高の基準を詳しく解説しています。併せてご覧ください。
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タイヤの摩耗が激しい

タイヤは摩耗や空気圧、ひび割れなどがチェックされます。特にタイヤの溝は深さが1.6mm以下になると、スリップサインが出ます。この状態では車検に合格できないので交換せざるを得ません。また、スリップサインが出たまま走行すると整備不良となり、違反点数2点、普通車なら9,000円の罰金が科せられるため注意が必要です。

以下の記事では車検に合格するタイヤの溝の深さについて詳しく解説しています。併せてご覧ください。
play_arrow 「車検に合格するタイヤの溝の深さは？計測方法や摩耗を防ぐコツを解説」

マフラーの排気音や位置が適切でない

マフラーは排気音や取り付け位置が検査の対象です。排気音は普通車で100db以下、軽自動車は97db以下と規定されています。取り付け位置は地面から9cm以上の高さが必要です。また、穴が空いたり破損したりしていると不合格になる場合があります。

以下の記事では車検に合格するマフラーの基準について詳しく解説しています。併せてご覧ください。
play_arrow 「車検に合格するマフラーの基準とは？音量や取り付け位置について解説」

パッキンが破損し、オイルが漏れている

パッキンが劣化して破損するとオイルが漏れる場合があります。オイル漏れはブレーキの効き目を劣化させたり、エンジンの焼きつきを発生させたりする恐れがあり非常に危険です。エンジンの下が濡れていればオイル漏れの可能性があるので、必要に応じて修理や交換を実施しましょう。

以下の記事ではオイル漏れ時の車検について詳しく解説しています。併せてご覧ください。
play_arrow 「オイル漏れでも車検に通る？原因・対処法を解説」

クラクションが故障している

クラクションに異常がある車も車検に合格できないリスクが高いので、注意が必要です。ハンドルのクラクション部分にホーンマークがあるか、音の大きさが十分で連続して鳴るか、といった内容がチェックされます。

ライトの光量が不足している

ライトの光量も要注意です。ブレーキランプやフォグランプ、ウインカーといったライトの種類ごとに基準が定められており、色や明るさに決まりがあります。ヘッドライトの場合、色は白色で一つのライトにつき6,400カンデラ以上の明るさが必要です。ライトの劣化や汚れにより光量が低下する場合もあるので、車検前に確認しておきましょう。

以下の記事では車検のヘッドライト検査について詳しく解説しています。併せてご覧ください。
play_arrow 「車検のヘッドライト検査とは？項目と検査通過のコツを紹介」

ブレーキが利きにくい

ブレーキが利きにくい状態では当然ながら車検に合格できません。ブレーキの利きはブレーキパッドの厚さなどで決まります。例えば、ブレーキパッドの厚みが4mm以下の場合はブレーキの利きが悪くなるので交換しておきましょう。

以下の記事では車検に合格するブレーキパッドの基準について詳しく解説しています。
play_arrow 「車検に合格するブレーキパッドの基準とは？交換目安や費用も解説」

ウォッシャー液が漏れている

意外に見落としがちなのがウォッシャー液の漏れです。汚れた窓ガラスを洗浄するウォッシャー液は、視界を確保し安全運転を行ううえで必要不可欠です。ウォッシャー液が漏れてしまうと、肝心なときに利用できず、視界が悪い状態で運転することになります。いつでもウォッシャー液が使えるように補充しておくだけでなく、漏れがないことも確認しておきましょう。

以下の記事ではワイパーの車検での検査項目について詳しく解説しています。
play_arrow 「ワイパーの車検での検査項目は？交換時期や費用目安を解説」

窓ガラスの可視光透過率が低い

窓ガラスにフィルムを貼っている場合、透過率に注意が必要です。車検では可視光線透過率が70%以上であることが条件ですので、基準に満たないフィルムは取り外しておきましょう。可視光線透過率測定器を使えば簡単に測定できますので、透過率が気になる場合は車検前にチェックしておくと安心です。

必要書類に不備がある

車検では、以下3つの書類に加え、車検の方法によっては印鑑を準備しておかなければなりません。

• 自動車検査証（車検証）
• 自動車税（種別割）納税証明書
• 自動車損害賠償責任保険証明書

これらの書類が揃っていなければ、車検ができなかったり、車が基準を満たしていても車検に合格できません。万が一紛失してしまった場合には早めに再発行の手続きをしましょう。

以下の記事でも車検時の必要書類について詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
play_arrow 「車検の見積もりをとるには？最適な時期・場所・費用、依頼先を選ぶポイント」

自動車税や反則金が支払われていない

自動車税や反則金を支払っていない場合も車検に合格できません。これは車検拒否制度と呼ばれる、警察が車検の合格に待ったをかける制度です。車を運転するうえで必ず支払うべきものなので、未払いの場合は車検前に支払っておきましょう。

発炎筒が紛失している

緊急時に利用する発炎筒を装備していない車も車検で不合格となります。発炎筒は事故を起こしたときや車が故障したときに他の車に危険を伝える道具です。緊急事態にしか使わないので装備するのを忘れがちですが、第三者を守る必要性の高さから車載が義務化されています。一般的には助手席の足元に装備されているので、車検前に確認しておきましょう。

2.車検に通らなかったときの対応方法

車検に通らなかった場合、再車検を受けて合格するにはどのような手順を踏む必要があるのでしょうか。その流れを解説します。

限定自動車検査証を発行する

車検当日に不備を直すことができず再検査を受けられない場合は、限定自動車検査証を発行してもらいましょう。限定自動車検査証を発行すると、15日以内に再検査を受ける目的の場合のみ公道を走行できます。15日以内に受ける再検査では不備が見つかった箇所だけが対象となるので、最初の車検時ほど時間はかかりません。

再車検を受ける

再車検を受けるには、以下の3つのパターンがあります。

• 当日受けなおす
• 15日以内に受ける
• 16日以降に受ける

当日は2回までなら無料で再車検を受けられます。最初の車検で見つかった不備がすぐに直せる場合は再車検を受けましょう。当日直せない不備があるなら、限定自動車検査証を発行し15日以内に再車検を受けましょう。

車検から15日を過ぎると無車検となり、公道を走行することはできません。車検の手続きもすべてやり直しとなり、検査費用も再び全額支払う必要があるので、期限内に再車検を受けられるようにしましょう。

以下の記事では車検で不合格・再検査になった際の対応方法について詳しく解説しています。併せてご覧ください。
play_arrow 「車検で不合格・再検査になったら？対応方法を解説」

車を売却・廃車する

年式が古い車は何度車検を受けても合格するのが難しい場合があります。このような場合は売却をするか廃車にして新しい車に乗り換えるのも一つの方法です。車検合格に向けて多くの整備を行うよりも乗り換えたほうがお得なケースもあるので、車検の見積もりを確認したうえで判断しましょう。

3.車検に通らない原因に関するよくある質問

車検に通らない原因について、よくある質問をまとめました。代表的な質問は以下の3つです。

Q.車検を中止した場合、法定費用は返金される？

車検を受けても合格できず、途中で中止した場合は、自賠責保険料と自動車重量税のみが返金されます。登録・検査料として支払う印紙代は返金されません。

Q.車検に通るためにやるべきことは？

車検をスムーズに合格するには、車のチェックを定期的に行い必要に応じてメンテナンスしておくことが大切です。また、自動車検査証（車検証）、自動車税（種別割）納税証明書、自動車損害賠償責任保険証明書といった必要書類を揃えておかなければなりません。

Q.再検査の期限を過ぎてしまったらどうするの？

再検査の期限を過ぎると無車検となり、公道を走行することはできません。仮ナンバーを取得する、積載車を手配して車を車検場に運んでもらうなどして再検査を受けて再び合格を目指すか、売却・廃車の手続きをして新しい車に乗り換えることになります。

4.まとめ

車検前に車の状態を確認しておけば、部品の修理や交換にかかる費用を早めに把握でき、コストを抑えて車検に合格することもできます。まずは車検の見積もりを受け、必要な金額を把握しましょう。

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