車検時のナンバープレート検査項目と変更手続きを徹底解説
さまざまな検査項目がある車検。ナンバープレートも検査の対象となります。ナンバープレートは、近年取り付け位置や角度が法律により明確化され、車検時の検査項目も法令に準じて変更されました。
本記事では、車検時に気をつけたいナンバープレートに関する検査項目や引っ越しなどに伴う変更手続きを解説します。
1.車検時のナンバープレートの検査項目
普通自動車についているナンバープレートは、別名自動車登録番号標といい、国が車両と所有者を管理するためのものです。各地の運輸支局ごとに個別に発行され、その車がどこの運輸支局により管理されているのか、自家用車なのか事業用なのかなど、車の識別のために必要な情報が表示されています。軽自動車のナンバープレートも同様の役割を持っていますが、運輸支局ではなく軽自動車検査協会が管理しています。
ナンバープレートは車を識別する非常に大切な情報です。必ず見やすいように表示しなくてはいけないと道路運送車両法第十九条で定められています。車検の際には、位置や角度が保安基準を満たしているかがチェックされます。
国が定めたナンバープレートの位置や角度の保安基準を確認してみましょう。
位置
ナンバープレートは、従来は見やすいように表示することしか定められていませんでした。2016年4月1日に施行された「道路運送車両法および自動車検査独立行政法人法の一部を改正する法律」により、ナンバープレートの表示位置や装着方法が詳細に定められました。
新しい規定では、ナンバープレートに書かれているすべての文字の識別に支障がない位置につけることが明確化されました。この基準は、2021年10月1日以降に新規登録検査や新規使用届出を受けた車に適用されています。
また、ナンバープレートカバーの装着や上下反転しての取り付けなどはすべての車で禁止されています。もちろん車検でもチェックされる項目ですので、正しく取り付けましょう。
角度
ナンバープレートの取り付け角度の規定値は前と後ろで異なります。フロント(前)につけるナンバープレートは、上向き10度〜下向き10度の範囲で取り付けるよう定められています。リア(後ろ)につけるナンバープレートは、上向き45度〜下向き5度、ナンバープレート上端が地上から1.2m超の場合は上向き25度〜下向き15度の範囲で取り付けるよう定められています。
また、それぞれのプレートの左右の角度は、フロントは左向き10度から左右向き0度、リアは左向き5度から左右向き0度と定められています。右向きに傾けることは、歩道からの視認性が悪くなるため禁止されています。
2.車検時にナンバープレートの変更をする必要がある場合
現在住んでいる地域を管轄する運輸支局の管轄外区域に引っ越しする場合、ナンバープレートを変更する必要があります。県外に引っ越す場合はもちろん、県内・都内でも市や区が変わる場合は注意が必要です。
例えば、東京都中央区から渋谷区、目黒区に引っ越しする場合は同じ運輸支局の管轄内なので手続きは不要ですが、中央区から新宿区、文京区などに引っ越しする場合は異なる運輸支局の管轄地域となるため手続きが必要となります。近距離の引っ越しであっても管轄が変われば手続きが必要になるということです。
軽自動車の場合も同様にナンバープレートの変更が必要です。ただし、管轄組織は運輸支局ではなく軽自動車検査協会となります。
3.車検時のナンバープレート変更手続き
引っ越しで管轄する運輸支局が変わり、ナンバープレートを変更する必要が生じた場合の手続きはどのようにしたらいいのでしょうか。
自分でナンバープレートの変更手続きをする場合は、車で新住所を管轄する運輸支局に出向いて手続きをしましょう。軽自動車の場合は軽自動車検査協会で手続きを行います。手続き当日に必要な持ち物は以下のとおりです。
- ナンバープレート取り外し工具(プラスドライバー・マイナスドライバー)
- 自動車検査証(車検証)
- 新しい住所の住民票
- 新しい住所の自動車保管場所証明書(車庫証明書)
- 印鑑
- 希望番号予約済証(該当者のみ)
それでは手続きの流れについてご説明します。
旧ナンバーの返却
運輸支局または軽自動車検査協会に着いたら、ドライバーを使って旧ナンバープレートを取り外します。前側のナンバープレートはプラスドライバーだけで簡単に外せます。後側のナンバープレートは向かって右側のビスを緩め、左側の封印をマイナスドライバーで外し、中のビスを緩めて外します。封印を外した状態で公道を走行することは道路運送車両法で禁じられていますので、必ず運輸支局についてから外しましょう。
ナンバープレートを取り外したら、取り外した旧ナンバープレートを返却し、申請書、手数料納付書、自動車税申告書を運輸支局内で記入します。字光式ナンバープレートを希望する場合は字光式自動車登録番号標交付願にも記入が必要です。印鑑を押す必要があるので認印を忘れずに持って行きましょう。
なお、以前はナンバープレート悪用防止のため外したプレートは返却破棄が義務付けられていましたが、現在では手続きをすれば記念として持ち帰ることもできます。持って帰りたい場合は記念所蔵ナンバー破壊(穴あけ)申し込み書にも記入しましょう。旧ナンバープレートに穴あけ手続きをしてもらえます。
新しい自動車検査証(車検証)の取得
ナンバープレートの変更手続きとともに、自動車検査証(車検証)の住所変更手続きもしてしまいましょう。手続きする車の自動車検査証(車検証)と新しい住所の住民票、自動車保管場所証明書(車庫証明書)が必要です。必要書類を窓口に提出し、新しい住所が記載された自動車検査証(車検証)を取得します。
なお、車検証の見方や種類については、こちらの記事で解説していますのでご参考ください。
「自動車検査証(車検証)の正しい見方とは?種類や確認すべきポイントを解説」
新ナンバーの取得
上記の手続きが完了したら、いよいよ新ナンバープレートの取得です。ナンバープレートのナンバー部分は4桁以下の数字で希望ナンバーを取得できます。希望ナンバーがある場合は、事前にホームページまたは希望番号予約センター窓口で手続きを行ってください。所定の手続きを行うと希望番号予約済証が発行されますので、それを運輸支局窓口に提出します。
また、ご当地ナンバープレートやスポーツイベントの開催記念ナンバープレートなど、図柄入りのナンバープレートも事前申し込みが必要です。図柄ナンバー申し込みサービスから事前申し込みをし、所定の手続きを行いましょう。手続き完了までに1週間ほどかかりますので、余裕を持って手続きしておくと安心です。
ナンバーに特別な希望がなく、図柄なしのナンバープレートでも良い場合は、事前手続きは特に必要ありません。その場で新しいナンバープレートを発行してもらいましょう。
新しいナンバープレートを取得したら、ドライバーで車に取り付け、運輸支局の係の方に車台番号とナンバープレートの確認をしてもらい封印を行います。これでナンバープレートの変更手続きは終了です。
4.車検時のナンバープレート変更に関するQ&A
車検時におけるナンバープレートに関するよくある質問をまとめました。ぜひチェックしてみましょう
Q.ナンバープレートを変更していなくても車検は受けられる?
引っ越しなどで住所が変わったものの、まだナンバープレートを変更していないという場合でも車検は受けられます。変更していないことが理由で車検に通らないということもありません。
また、ナンバープレートの変更手続きを車検時に車検業者へ依頼することも可能です。その場合は必要書類と委任状を店舗の方に渡しましょう。
Q.ナンバープレート変更のベストなタイミングは?
以前は、自動車検査証(車検証)や自動車保管場所証明書(車庫証明書)同様、ナンバープレートも引っ越しから15日間以内に変更手続きを行う必要がありました。しかし2022年1月から、引っ越し時の負担軽減対策の一環として、マイナンバーカードを用いてオンライン手続きを行った場合、次回車検までナンバープレートの変更を行わなくても良いという特例が設けられました。
特例は、国土交通省が提供している自動車保有関係手続きのワンストップサービス(通称OSS)を利用することでその対象となります。マイナンバーカードを所有し、パソコン利用環境が整っている場合、オンライン上で変更手続きが可能です。引っ越し後15日以内にOSSの変更登録から申請を行います。手続きには自動車検査証(車検証)の交換が必要なので、旧自動車検査証(車検証)を管轄の運輸支局に郵送します。新住所の記載された自動車検査証(車検証)が届くまで車が使えないのは困るという場合は、旧住所の記載された自動車検査証(車検証)のコピーを郵送し、新住所の記載された自動車検査証(車検証)を受け取ってから古い自動車検査証(車検証)を郵送することで手続きできます。
OSSを利用して自動車検査証(車検証)の住所変更手続きが完了した場合、次回車検までは旧ナンバープレートを引き続き利用できます。もちろん車検前に新しいナンバープレートに交換しても問題ありません。
なお、自動車の所有者と使用者が異なる場合などは特例の対象外となるので、従来どおり原則15日以内に運輸支局などでナンバープレート変更手続きをする必要があります。また、2022年6月時点では残念ながら軽自動車のナンバープレート変更手続きはオンラインでは行えません。従来どおり軽自動車検査協会に出向き変更手続きを行いましょう。
5.まとめ
ナンバープレートの取り付け位置や角度は、明確な基準のもと車検時に検査されます。2021年10月1日以前に新規登録した車はチェック対象外ですが、今後車を買い替える際は検査の対象となるため注意しましょう。また、引っ越しに伴うナンバープレートの変更手続きも忘れずに行うようにしましょう。
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