1.車検時に名義変更はできる？

名義変更手続きができる条件は、車検が切れていないことです。すでに車検が切れている車を入手した場合は、車検を通してから名義変更手続きをしなくてはなりません。

ただし、その場合でも名義変更は車検直後に手続きが行えるため、車検を依頼する際に名義変更に必要な書類も準備しておけば、車検と名義変更を同時に行うことができます。

名義変更にかかる費用はこちらの記事で詳しく解説しています。
play_arrow 「車検と一緒に名義変更をするときにかかる費用は？金額の内訳を解説」

2.車検時の名義変更に必要な書類

普通自動車の名義変更にあたって準備が必要な書類は以下の7点です。これに加え、車検が切れている場合は車検を受けるために旧所有者の委任状が必要となります。

普通自動車の名義変更における必要書類には、旧所有者側で準備するものと新所有者側で準備するものがあるため、個人間での車の譲り受けの際は車両本体だけでなく名義変更に必要な書類までを含めて事前に打ち合わせておくことが大切です。

• 自動車検査証（車検証）（原本）
• 譲渡証明書（旧所有者の実印の押印があるもの）
• 旧所有者の印鑑証明書（発行日後3ヵ月以内）
• 新所有者の印鑑証明書（発行日後3ヵ月以内）
• 新所有者の実印
• 自動車保管場所証明書（警察から発行される車庫証明・発行後1ヵ月以内のもの）
• ナンバープレート（管轄地域が異なる場合・なければ車両番号標未処分理由書）

※車検切れの場合には旧所有者の委任状が必要です。

軽自動車の場合

軽自動車の場合は手続きが簡略化されるため、準備する書類は普通自動車よりも少ない4点です。軽自動車では旧所有者が用意する書類はなく、自動車保管場所証明書（車庫証明書）も手数料も不要です。ただし都市部では自動車保管場所証明書（車庫証明書）の提出が求められる場合があるため、事前に車検業者や地域を管轄する軽自動車検査協会に確認をしておきましょう。

なお、車検が切れている場合には、各書類に加え、車検を受けるための軽自動車税納税証明書と旧所有者の委任状が必要です。

• 車検証（原本）
• 新所有者の住民票の写し（マイナンバーが記載されていないもの）もしくは印鑑証明書
• ナンバープレート（管轄地域が異なる場合・なければ車両番号標未処分理由書）
• 車庫証明（地域によっては軽自動車でも必要）

※車検切れの場合には軽自動車税納税証明書と旧名義人の委任状が必要です。

3.車検時の名義変更を依頼して行うやり方・流れ

名義変更を含めて車検業者に依頼すると、車検と名義変更に必要な書類を渡すだけで手続きを行ってくれます。ただし、業者に名義変更手続きを依頼する場合はその分の代行手数料がかかります。その具体的な流れを解説します。

書類を用意する

名義変更が必要な車を購入した場合、車と一緒に名義変更に必要な書類が添付されてくるのが一般的ですが、不足する書類があれば車の旧所有者と連絡を取り、車検前にすべての書類を準備しておきましょう。旧所有者からの書類が揃い、車庫証明書の取得までを含めて車検業者に依頼する場合は、新所有者が事前に用意するものは印鑑証明書と実印のみです。

名義変更と車検を依頼する

名義変更および車検に必要な書類を車検業者に提出し、書類や納税状況に不備がなければ、車検が済んで車が戻ってくる時には名義変更が済んでいます。すでに車検が切れている車の場合には、車検を受けるために旧所有者の委任状も必要です。

車検業者に依頼した場合は、車検費用に加えて手続きにかかる事務手数料と代行手数料も加算されます。自動車保管場所証明書（車庫証明書）取得にかかる事務手数料は2,500円前後です。地域をまたぐ移動でナンバープレートの変更がある場合はナンバープレート代として1,500円前後かかります。名義変更（移転登録）手数料は500円です。代行手数料は車検業者によって異なるため、見積もり時に確認しておくと良いでしょう。

以下の記事では車検の名義変更の費用について詳しくご紹介しています。併せてご覧ください。
play_arrow 「車検の名義変更の費用は？金額の内訳を解説」

4.車検時の名義変更を自分で行うやり方・流れ

名義変更を自分で行うと、車検業者に依頼した際の代行手数料を省くことができます。名義変更手続きは運輸支局もしくは軽自動車検査協会で行うため、ユーザー車検時に同時に行うか、車検を委託する前に自分で済ませておく方法があります。では、自分で名義変更を行う際にはどのようにしたら良いのでしょうか。

書類を用意する

自分で行う場合でも名義変更に必要な書類は同じです。ただし、発行されるまでに3日〜1週間ほどかかる自動車保管場所証明書（車庫証明書）を先に取得しておく必要があります。自動車保管場所証明書（車庫証明書）を取得するには以下の書類等を準備し、最寄りの警察署で車庫証明書取得手続きをしなくてはなりません。

• 自動車保管場所証明申請書
• 保管場所標章交付申請
• 保管場所の所在図・配置図
• 保管場所の使用権原を疎明する書類（保管場所が自分の所有地の場合は保管場所使用権原疎明書面・保管場所が貸し駐車場の場合は保管場所使用承諾証明書）
• 使用の本拠の位置が確認できる書類（運転免許証や公共料金の領収書、消印のある郵便物など）
• 認印
• 申請手数料（2,100円程度の現金もしくは収入証紙。金額は地域によって異なります）

以上の書類を持って警察署で申請を行うと納入通知書兼領収書が発行され、警察官が実際に車の保管場所を確認します。3日〜1週間後に再び警察署で納入通知書兼領収書を提出し、標章交付手数料500円を支払えば、名義変更に必要な自動車保管場所証明書（車庫証明書）と保管場所標章番号通知書、保管場所標章の計3点が発行されます。

運輸支局および軽自動車検査協会で手続きを行う

名義変更に必要な書類がすべて揃ったら、新所有者の地域を管轄する運輸支局もしくは軽自動車検査協会で名義変更手続きを行います。各所での名義変更手続きの手順は以下のとおりです。

1. 受付窓口に備わる申請書と手数料納付書を入手
2. 申請書に必要事項を記入
3. 手数料分の印紙を購入し納付書へ貼り付け
4. 申請書・手数料納付書・必要書類を提出
5. 車検証の交付
6. ナンバープレートの変更がある場合は、窓口に古いナンバープレートと新しい車検証を提出
7. 新しいナンバープレートを受け取り、封印を施してもらう
8. 手続き終了

名義変更にかかる手数料は、普通車の場合は500円、軽自動車の場合は無料です。
なお、都道府県をまたぐ名義変更の場合はナンバープレートの変更が必要なため、車で行く必要があります。新しいナンバープレート代として1,500円前後の費用も必要です。ユーザー車検を受ける場合は検査通過後に名義変更手続きを行いましょう。

5.車検切れの車の名義変更のやり方について

車検切れの車は名義変更手続きができないため、まずは車検を受ける必要があります。その際に自走での移動はできないため、仮ナンバー（臨時運行許可番号標）の取得や積載車の手配などをしなくてはなりません。

ただし、仮ナンバーは自動車損害賠償責任保険が切れている場合には申請できない点には注意が必要です。自賠責保険に加入し直して仮ナンバーを取得するか、積載車を手配して移動させ車検さえ受けてしまえば、あとは同様の方法で名義変更手続きも行えるようになります。

6.車検時と同時に名義変更する際によくある質問

車検と同時に名義変更を行う際によく挙げられる疑問をまとめました。特に名義変更が済んでいない状態での車の使用はさまざまなリスクを抱えることになるため、早めの名義変更手続きをおすすめします。

Q.名義変更をしないと車検に出せない？

車検に出す人物は車の所有者である必要はありません。
車の名義人の委任状さえ用意できれば誰でも代理人として車検に出すことができます。しかし、近所の知人から車を譲り受けた場合はすぐに委任状の手配ができるかもしれませんが、遠方に住んでいる方から車を購入した場合にはすぐに用意できず、車検切れやトラブルに発展する恐れもあります。

車の譲り受け時は、名義変更や車検時のことも考慮し、事前の綿密なやりとりが必要です。

7.まとめ

名義変更手続き自体は難しい作業ではありませんが、自動車保管場所証明書（車庫証明書）などの書類準備には膨大な手間と時間がかかるため、平日に時間が取れない場合は費用をかけてでも車検業者にすべて任せてしまうことをおすすめします。

WECARSは自動車の買取から整備、販売までトータルサポートしておりますので、名義変更手続きに詳しいスタッフも多く、手続きが迅速に行えます。

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