1.車検証とは？

車検証（自動車検査証）とは、車が自動車保安基準に適合していることの証明書です。車検を受けて合格すると、運輸支局（軽自動車は軽自動車検査協会）にて交付されます。

また、車検証は自動車の所有者や使用者を公証するためにも用いられます。公道を走行する際には、車検証を携帯することが法律で義務付けられており、不携帯や有効期限切れの場合は罰則が科せられます。

車検証は、車を運転するために欠かせないものだと認識しておくと良いでしょう。

2.車検証の住所変更の必要性

車検証には、車の所有者・使用者の氏名と住所が記載されており、住所が変わった際には、車検証の住所変更が必要です。

決められた期間内に住所変更をしないと、罰則が科せられます。リスクを回避するためにも、車検証の住所変更の必要性を確認していきましょう。

住所変更をしないと懲罰金が科せられる

住まいが車検証に記載の住所から変更になった場合、15日以内に変更の手続きを行うよう道路運送車両法で定められています。

（変更登録）「第十二条　自動車の所有者は、登録されている型式、車台番号、原動機の型式、所有者の氏名若しくは名称若しくは住所又は使用の本拠の位置に変更があつたときは、その事由があつた日から十五日以内に、国土交通大臣の行う変更登録の申請をしなければならない。ただし、次条の規定による移転登録又は第十五条の規定による永久抹消登録の申請をすべき場合は、この限りでない。」
引用元：道路運送車両法 | e-Gov法令検索

この期間を超えて現住所と車検証の住所が異なる状態は違法となり、道路運送車両法第109条二号により50万円以下の罰金が科せられます。

車検に必要な書類通知が来ない

車検証に記載の住所には、自動車税納税通知書やリコール通知書などの重要な書類が送られてきます。

自動車税納税通知書が旧住所に送付されて受け取れなかった場合、納税が遅れたり、未納になったりする可能性があります。自動車税（種別割）納税証明書がないと、車検を受けることができません。

車検に必要な書類や、車の安全性に関わる通知書などを確実に受け取るためにも、車検証の住所変更が必要です。

自動車税（種別割）納税証明書については、こちらの記事で詳しく解説しています。
play_arrow 「車検には自動車納税証明書が必要！提示不要な条件や紛失時の再発行のやり方を解説」

自賠責保険が効かなくなることも

自賠責保険の取り扱い会社では、ユーザー情報を管理するために車台番号（自動車登録番号）を用いています。

車台番号とは、車に割り当てられた固有の識別番号で、「車体番号」や「フレームナンバー」とも呼ばれます。

車台番号（自動車登録番号）が同じであっても、住所が一致しない場合、本人確認などのために追加の手続きが必要になるケースもあります。

最悪の場合、自賠責保険が効かなくなることも想定されるため、車検証の住所変更は早めに行うようにしましょう。

自賠責保険については、こちらの記事で詳しく解説しています。
play_arrow 「車検時に自賠責保険が必要な理由とは？保険の期間・なくした場合についても紹介」

3.車検時に車検証の住所変更はできる？

慣れない移転先での手続きは、なるべく手間をかけずに済ませたいものです。車検証の住所変更は、車検のタイミングで行うことも可能です。

ここでは、車検時に住所変更を行うメリットと、一緒にやっておくべき手続きについて説明します。

車検時に住所変更を行うメリット

通常、車検証の住所変更をするためには、必要書類の準備をして運輸支局へ足を運ばなくてはなりません。引っ越し後の忙しい中で、時間を確保するのが難しい場合もあるでしょう。

車検の時期が近い場合は、車検のタイミングで住所変更を行うことで、手続きを一度で済ませられるというメリットがあります。

ただし、車検の時期がまだ先であれば、「15日以内に住所変更を行う義務」に違反することになるため、車検よりも先に住所変更を行う必要があります。

同時に住所変更するならやっておきたいこと

車検時に車検証の住所変更を行う場合は、同時に自動車税を納付しておくことをおすすめします。

車検を受ける時期によっては、自動車税納税通知書の発行・送付の時期と重なり、通知書の行き違いなどでうまく受け取れない可能性もあります。

確実に自動車税を納付するためにも、事前に自動車税を納付したうえで、住所変更の手続きに移ると良いでしょう。

なお、住所が変わると車検証以外にも、運転免許証・自動車保険の住所変更や、車庫証明・ナンバープレートの変更などを行う必要があります。

引っ越しの際の車検については、こちらの記事で詳しく解説しています。
play_arrow 「車検は引っ越したらどこで受けるの？必要な手続きや注意点を解説」

4.車検証の住所変更のやり方

車検証の住所変更の正式な呼び方は「変更登録」です。変更登録のやり方は、車の所有者と使用者が同じ場合と、別の方の場合、軽自動車の場合でそれぞれ異なります。

変更登録のやり方について、必要な書類と手順を確認していきましょう。

車の所有者と使用者が同じ場合

車の所有者と使用者が同じ場合は、車検証の使用者欄に「＊＊＊」と表示されているため、簡単に確認できるはずです。

車の所有者と使用者が別の場合

車の所有者と使用者が別の方で、使用者のみ住所や姓名を変更する場合を説明します。

軽自動車の場合

続いて、軽自動車の車検証の住所変更のやり方を、確認していきましょう。

5.車検証の住所変更にかかる費用

車検証の住所変更にかかる費用は、普通乗用車と軽自動車で次のように異なります。

普通乗用車の住所変更にかかる費用

• 申請手数料：350円
• 車庫証明書の申請手数料と標章交付手数料：3,000円程度（地域により異なる）
• ナンバープレート交換費用：1,500～2,000円程度（地域やナンバープレートの種類により異なる）

運輸支局への申請手数料と車庫証明の取得費用のほかに、管轄の運輸支局が変わる場合は、ナンバープレート代が発生します。普通乗用車で希望ナンバーを指定する場合は、さらに3,000円ほど追加費用がかかります。

出典：[Q]車庫証明の取り方を教えてください - JAF

軽自動車の住所変更にかかる費用

• 申請手数料：無料
• 車庫証明書の申請手数料と標章交付手数料：500円程度
• ナンバープレート交換費用：1,500～2,000円程度（地域やナンバープレートの種類により異なる）

軽自動車の場合、普通乗用車と比べて費用は安く済みます。ただし、ナンバープレートの交換費用は普通乗用車と同等なので注意してください。

6.車検証の住所変更時の注意点

車検証の住所変更を行う際には、スムーズに手続きを進めるためにも、次の2点に気を付けてください。

• ナンバープレートの変更を伴う場合は車で行くようにする
• 軽自動車は手続きする場所が異なる

管轄の地域が変わる場合は、運輸支局や軽自動車検査協会の現地でナンバープレートを付け替える必要があるため、車を持ち込みましょう。

また、軽自動車の場合は普通乗用車とは申請場所が異なるため、注意しましょう。それぞれ、普通乗用車は運輸支局で、軽自動車は軽自動車検査協会で手続きを行ってください。

7.まとめ

車検証は、車が自動車保安基準に適合していることの証明と、所有者や使用者の公証のために大切な書類です。

住まいが変わった際には、15日以内に車検証の住所変更の手続きを行うよう道路運送車両法で定められており、違反すると罰金が科せられる可能性があります。思わぬ罰則などを回避するためにも、車検証の住所変更は早めに行いましょう。

車検の時期と引っ越しのタイミングが重なった場合は、車検時に住所変更をすることも可能です。日本全国にネットワークを持つWECARSなら、急な転勤や引っ越しの際の車検でも、安心してご利用いただけます。

これから引っ越しを控えている方、引っ越し後の信頼できる車検業者をお探しの方は、お気軽にWECARSへご相談ください。