車検前に洗車はするべき?きれいにしておくメリットや費用を解説
「車が汚れていると車検に通りにくい」「車検が受けられない」「代車は洗って返す」などの噂がありますが、洗車の有無は車検結果に影響しません。また、代車の洗車も必要ありません。ただし、キレイな車のほうが点検や整備がしやすいため車検が早く終わるのは事実ですし、トラブル防止や車検費用の節約にもつながります。
ここでは、車検と洗車にまつわるあれこれを解説します。
1.車内が汚れていると車検は受けられないの?
車の外装や車内が汚れていても車検は受けられます。車検は車が安全に走行できる状態になっているかを確認するための検査のため、汚れ自体は車検結果には影響しません。
ただし、過度な汚れで異常箇所が発見できない場合や、付着したオイルのせいでオイル漏れと誤認される可能性があります。また、清掃しながらの整備となってしまうため、車検時間が長引くデメリットもあります。特に、車検と同時に車内清掃を行う場合、車内に荷物があると邪魔になり清掃作業の効率が著しく悪化します。車内清掃がしやすいように、また紛失などのトラブルを避けるために、車検の際は不要な荷物を降ろしておきましょう。
車内の荷物が車検の審査に影響があるかはこちらの記事で解説しています。
「車検のときは荷物を降ろすの?審査への影響などリスクを徹底解説」
なお、窓ガラスがナンバープレートを判別できないほど汚れている場合、保安基準適合以前に道路交通法違反となります。車検の合否に関わらず、車をキレイに保つことは安全運転やトラブル防止にもつながります。車はキレイな状態を常に保つようにしましょう。
2.車検前に洗車しておくメリット
車の汚れは車検に影響しないとはいえ、事前に洗車をしておくことは車検において有意義です。そのメリットについて解説します。
車検時間の短縮になる
多くの車検業者では、車検と同時に洗車もしてくれます。しかし、汚れていればそれだけ洗車に時間がかかるため、キレイな車ほど車検時間が短くなることになります。1時間車検や1日車検を謳う車検業者であっても、過度に汚れた車では時間内に車検を終わらせられない可能性があります。
また、車検では下回りのオイル漏れ点検やブレーキ周りの点検も行うため、事前に下回りを洗浄することがあります。車検前に下回りの洗車をしておけば下回り洗浄を省くことができるため、作業時間のさらなる短縮につながります。
丁寧な整備をしてもらえる
汚れた車は清掃しながら整備をしなくてはならないため、作業効率を悪化させます。整備士も人間ですから、汚れた車よりはキレイな車のほうが気持ちよく丁寧に作業が行えます。また、汚れによって異常が発見できないまま車検を通ってしまうと、後々取り返しのつかない故障につながる恐れもあります。
3.車検のときに洗車してくれる?
多くの車検業者では、車検後に洗車をしてくれます。ただし、洗車の有無や程度、費用は車検業者によってさまざまです。また、安易に無料洗車をお願いしたことでトラブルに発展した例もあります。車検時の洗車にはどのような注意点があるのでしょうか。
店舗によっては洗車してくれる
車検時に無料で洗車をしてくれる車検業者があるいっぽう、洗車をせずに車検費用を安く抑えている車検業者もあります。また、有料とすることでより丁寧に洗車をしてくれる車検業者もあります。車検時の洗車の有無や費用は店舗ごとに異なるため、車検見積もり時や車検作業前に詳細を確認しておきましょう。
洗車の内容
洗車の内容も店舗によって大きく異なります。洗車無料の場合は、簡易的な洗車が一般的です。外装の洗車は高圧洗車機や全自動洗車機での洗浄と拭き上げに加え、車内清掃はフロアマットの清掃と掃除機がけ程度です。中には丁寧に手洗い洗車をしてくれる車検業者もあるものの、原則として無料洗車に過度の期待はしないようにしましょう。キレイに洗車や清掃をしてもらいたいのであれば、それなりの費用を支払う必要があります。
洗車にかかる費用
洗車費用を有料に設定している車検業者の場合は、その内容に応じて料金が設定されています。洗車機の使用なら300円〜1,000円程度。手洗い洗車は2,000円〜5,000円が相場です。車内清掃は車のサイズにより500円〜1,000円程度となり、消臭作業は2,000円〜5,000円ほどの費用がかかります。(※店舗によって費用は異なります。利用前に直接店舗にお問い合わせください。)
そのほか、車検業者によってはエアコンのカビ臭を取り除くエバポレーター洗浄やシートのスチーム洗浄など、入念な車内清掃メニューを用意している場合もあります。これらの作業には相応の費用と時間がかかるため、車検の際に車を預けたタイミングで同時に行うのが効率的です。
洗車は断ってもいいの?
車検時の洗車は断ることもできます。有料の洗車であれば断ることでわずかながら車検費用を抑えることができ、無料の洗車であっても断ればそれだけ早く車検が終わります。洗車が車検メニューに組み込まれている車検業者の場合は、何も言わなければ当然のものとして洗車を行うため、断る場合は見積もり時や車検前に「自分で洗車するので車検時の洗車は不要」と伝えておきましょう。
特に自動洗車機を使う店舗の場合、車体にホコリや汚れが付着しているまま自動洗車機にかけるとボディに傷が付く可能性があります。プロに任せるとはいえ、車を預ける以上は傷が付くリスクは避けられません。洗車を断ることでトラブルになる心配はありませんので、少しでも不安な場合は丁寧にその旨を伝えましょう。
4.車検の下回り洗浄とは?
車検の内訳に記載される「下回り洗浄」とは、汚れやすい車体下側を高圧スチームで洗う作業です。汚れとともに車体下に付着したオイルなども除去することでオイル漏れやグリス漏れの疑いを排除できるため、整備や検査がスムーズに行えるようになります。車検を受ける際には、ほぼ必ずといっていいほど下回り洗浄が行われます。
下回り洗浄は断れる?
下回りがそれほど汚れていない車の場合には断ることも可能です。下回り洗浄の費用は5,000円前後が相場であり、車検費用が安価な小型車や軽自動車では費用の中で大きな割合を占めることになります。車検業者によっては下回り洗浄費用が車検基本料金に含まれている場合もあるため、事前に内訳の確認をしてみましょう。
ただし、未舗装路などを走行して過度に汚れている場合は整備や点検に支障をきたすため、下回り洗浄は欠かせないものといえるでしょう。
場合によっては断らない方が良い場合も
高温スチームによる入念な下回り洗浄は、車検時でなければなかなかできない作業です。洗車場の高圧洗車機でも下回りの洗浄は可能ですが、車体下は複雑な形状になっているため、車検時ほど丁寧な洗浄はできません。特に道路に融雪剤が撒かれる雪国を走行する車は、サビ防止の観点から多少の費用をかけてでもしっかりと実施したほうが良いでしょう。また、整備上どうしても洗浄が必要な場合もあるため、無理に断ると車検の質に影響を及ぼす可能性もあります。
5.代車を借りたら洗車して返すべき?
代車を洗車して返すという決まりはありません。また、代車は洗車しないで返却するのが一般的な共通認識となっています。ただし、内外装を問わず使用中に極端に汚してしまった場合には、洗車・清掃をして返却するのがマナーです。あくまで借りものであるため、代車とはいえ常識に則った扱いを心がけましょう。
代車を借りる際に気をつけたいことや、返す際に燃料は満タンにして返すかなど、代車に関する注意点やマナーは以下の記事でより詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
「車検で代車を借りるには?料金やガソリンは入れて返すべきかを解説」
6.まとめ
車検前にわざわざ洗車をする必要はありません。ただし、車をキレイにしておけば車検時の洗車や下回り洗浄を省くことができるため、車検にかかる費用や時間を抑えることができます。もし洗車や下回り洗浄を断るのであれば、認識の違いによるトラブルを避けるため、見積もりの段階で伝えるようにし、車検時に車を預ける際にも再度作業内容を確認しておきましょう。
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