車検の頻度はどれくらい?中古車の場合や車種による違いを解説
自動車を所有している人には定期的な車検が義務付けられています。通常、新車登録から3年目に1回、それ以降は2年に1回のペースで点検に合格して車検証を更新する必要があります。しかし、これは一般的な自家用乗用車の場合であり、車種によっては車検の頻度が異なります。
本記事では、車検を定期的に受ける理由と車種別の車検の頻度、車検時期の確認方法をご紹介します。これから自動車の購入を予定している方も、すでに自動車を所有している方も、ぜひ参考にしてください。
1.そもそも車検を定期的に受ける理由
車検は車の所有者に対して法律で定められた義務です。正式名称を「自動車検査登録制度」と呼び、公道を安全に走行するためには定期的な車検を受ける必要があります。
私たちが普段の生活で使用するパソコンや冷蔵庫といった家電は、不具合が生じたときに点検や修理を依頼します。しかし自動車の場合は、問題なく走行していても数年に一度点検を受ける決まりがあります。なぜなら、自動車は数十kmのスピードで走行する車両であり、不具合に早期に気付かなければ重大な事故になるリスクが高いためです。車検において定期的に車の状態をチェックし安全性を確認することは、運転者はもちろん同乗者、周囲を走るほかの車両や歩行者の安全にもつながるのです。
車検を受ける理由にはもう一つ、車の所有者を明らかにして権利義務をはっきりさせる目的もあります。
車検は自動車の購入時に所有者を登録した車検証をもとに点検を実施するため、車を利用している方が登録者と相違ないかが定期的に確認されます。それにより、万が一盗難や事故があった際もスムーズに対応できるようになります。車検は安全性を保つだけでなく、トラブルの際の素早い対応にも効果があります。
なお、車検が切れてしまった車で公道を走ってしまうと、道路運送車両法違反となります。違反点数は6点と非常に重く、30日間の免許停止処分を受けます。また、車検の有効期限が切れている車は、同時に加入した自動車賠償責任保険(自賠責保険)の期限も切れてしまっている可能性があり、さらに厳しい罰則を受けることになる場合があります。車検の期限は必ず守りましょう。
車検切れの罰則についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
「車検切れで知らずに運転した際の罰則は?免停期間や切れてしまった時の対処法も解説」
2.【車種別】車検頻度の一覧
車検の頻度は車種によって異なります。初回の車検年数、また2回目以降の頻度を表にまとめました。
<自家用自動車>
| 車種 | 種類 | 初回 車検年数 |
2回目以降 車検頻度 |
|---|---|---|---|
| 乗用車 | 普通・小型 | 3年 | 2年 |
| 軽自動車 | 3年 | 2年 | |
| 貨物車 | 車両総重量8t以上 | 1年 | 1年 |
| 車両総重量8t未満 | 2年 | 1年 | |
| 特殊車両 | 軽貨物自動車 | 2年 | 2年 |
| キャンピングカー・教習車・消防車等 | 2年 | 2年 | |
| マイクロバス(定員11名以上) | 1年 | 1年 | |
| 幼児専用車(定員10名以下) | 1年 | 1年 | |
| 大型特殊車両 | クレーン車など(車両総重量8t以上) | 2年 | 2年 |
| フォークリフトなど(車両総重量8t以下) | 2年 | 2年 |
普通・小型車、軽自動車を含む自家用乗用車は、新車登録時から3年間で初回の車検を受けたあと、2回目以降2年ごとに車検を受けるよう義務付けられています。車両の総重量が8tを超えるような大きな貨物車は1年ごとの車検が必要です。マイクロバス、幼稚園の送迎バスといった多くの人数を乗せる大型の車両も、同じく1年ごとの車検が必要です。
大型特殊車両は名前のとおり、特殊な環境下や用途で使用する作業機を取り付けている車両のことで、具体的にはショベルカーやクレーン車、農耕用作業自動車などが該当します。自家用乗用車と異なり、初回の車検が2年に設定されています。
<運送事業用車>
| 車種 | 種類 | 初回 車検年数 |
2回目以降 車検頻度 |
|---|---|---|---|
| 旅客 | バス・タクシー・ ハイヤー |
1年 | 1年 |
| 軽自動車 (旅客用) |
2年 | 2年 | |
| 貨物運送事業 トラック |
車両総重量 8t以上 |
1年 | 1年 |
| 車両総重量 8t以下 |
2年 | 1年 |
仕事で乗客を複数乗せるようなバス、タクシー、ハイヤーといった運送事業用の車は1年単位で車検を受け安全性を高めるよう義務付けられています。同じ旅客用として登録されていても、軽自動車の場合は2年単位の車検を受ける形です。
中古車の車検頻度はどうなの?
新車で購入した際は初回車検の時期がわかりやすいですが、中古車の場合は注意が必要です。中古車には、車検が切れておりそのままでは公道を走行できない状態の車もあれば、車検が切れておらず購入年やその翌年に点検を受ける必要がある車もあります。車検切れの場合、車検が切れていない場合、それぞれの車検頻度についてご紹介します。
車検切れの場合
車検が切れている車は「車検なし」として販売されており、販売価格に車検費用が含まれていないため、車検ありの自動車と比較して価格が安くなっています。
車検が切れている中古車を購入した場合は、まず名義変更などの手続きと同時に車検を受けます。車検切れのままで公道を走らせると法律違反になるため、必ず納車の前に車検に合格しておく必要があります。
中古車の納車は、早ければ2~3日などの短期で受け取ることができるケースもあれば、納車まで1週間ほど時間がかかることもあります。車検切れの場合はさらに車検に2~3日かかる可能性もあり、車検が切れていない車よりも納車までやや時間がかかる傾向にあります。
車検が切れていない場合
車検が切れていない中古車であれば、次回の車検までどれくらいの期間があるのか、車内のステッカーや車検証などの有効期限を確認しましょう。1年以上猶予がある自動車もあれば、半年程度で車検を受けなければいけない自動車もあります。
車検証には「車検有効期間」が記載されており、車検の有効期間満了日の1ヵ月前から有効期限の当日までに車検を通しておく必要があります。余裕をもって車検を受けられるよう、スケジュールを立てたうえで早めに点検の予約をとりましょう。
レンタカーの車検頻度はどうなの?
自家用自動車や運送事業者用の車以外で多くの方が関わる可能性がある車といえば、レンタカーです。レンタカーの車検の頻度は次のとおりとなっています。
| 種類 | 初回 車検年数 |
2回目以降 車検頻度 |
|
|---|---|---|---|
| レンタカー | 普通自動車・ 小型自動車 |
2年 | 1年 |
| 軽自動車 | 2年 | 2年 |
レンタカーの場合、普通・小型自動車は初回が2年、2回目以降は1年ごとの点検が義務付けられています。軽自動車のレンタカーの場合は初回も2回目以降も2年の頻度で車検を受けることになります。
レンタカーは、自家用車である一方、あくまで他人にレンタルすることを目的とした営業用の車両でもあります。そのため通常の自家用車よりも車検の頻度が高く、特に普通自動車や小型自動車は2回目以降は毎年車検を受ける必要があります。
3.車検時期を確認する方法
車検時期を確認する方法は2通りあります。いずれも簡単な方法なので、確認してみましょう。
車検証を確認する
次回の車検時期は、「車検証(自動車検査証)」を見ると日付まで正確にわかります。車検証は国が定めている保安基準に適合した車であることを証明する書類です。運転時は携帯が義務付けられており、自動車のダッシュボードなどに入れておくべきものです。車検証の「有効期間の満了する日」という項目に、車検の満了日が記載されています。車検は満了日の1ヵ月前から受けられるため、例えば満了日が4月30日であれば、4月1日から4月30日までに車検に合格する必要があります。
「車検証の正しい見方とは?種類や確認すべきポイントを解説」
検査標章(車検シール)を確認する
車検時期は車のフロントガラスに貼られているステッカーでも判断できます。このステッカーは「検査標章(車検シール)」と呼び、大きく書かれている数字が車検満了の月、小さく書かれている数字が満了年です。
ステッカーの裏面にも、有効期間満了日が「〇年〇月〇日」の形で記載されているため、すぐに日付をチェックできます。ステッカーの色は普通自動車が水色、軽自動車がオレンジ色です。
車検の時期を確認する方法や車検シールのこと、車検証の見方の詳細は以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
「車検シール(ステッカー)でわかること。正しい貼り方や再発行のやり方も解説」
4.次回の車検までにやっておきたいこと
車検は車の所有者の義務であり、公道を走る限りは車検の有効期限内である必要があります。定期的に必ず受けるものだからこそ、日頃から車検を意識して車を運転することが大切です。
ここでは、次回の車検までに意識してやっておきたい2つのポイントをご紹介します。
日頃からメンテナンスを欠かさない
車検は、日頃から車のメンテナンスを欠かさないことで時間短縮につながります。オイル交換やバッテリーの状態のチェックなど、個人でできるメンテナンスはさまざまです。他にもライトの点灯チェックなど、見てわかる範囲の自動車のトラブルを車検前に直しておけば、そのぶん車検の時間は短縮できます。
日頃のメンテナンスは大切な愛車の寿命を伸ばす効果があります。もし自動車を売却する際でも、日頃から自分でできる範囲でメンテナンスをしておけば、状態が良い車として査定額アップにつながります。
自動車の日常点検で推奨されている項目は次のとおりです。
- ウインドウォッシャー液の量
- ブレーキ液の量
- 冷却水の量
- バッテリー液の量
- エンジンオイルの量
- タイヤの亀裂や損傷などの異常
- タイヤの溝の深さ
- タイヤの空気圧
- ランプの点灯や汚れ
- ブレーキの利き
- パーキングブレーキレバーのチェック
- ウインドウォッシャーの噴射の異常
- ワイパーの動き
- エンジンのかかり具合
主に上記のようなポイントを1ヵ月に1回を目安に点検しましょう。他にも、長距離の走行や高速道路の利用、大雨や雪道を走行したあとには、車に異常がないかチェックすると安心です。
車検に必要な書類の保管場所を確認する
車検に必要な書類は複数あり、書類が不足していると車検そのものを受けられなくなってしまいます。
- 自動車検査証(車検証)
- 自動車税(種別割)納税証明書
- 自賠責保険証(自動車損害賠償責任保険証明書)
- 印鑑(車検業者により不要の場合あり)
特に自動車税は毎年5月の末までに支払う必要があり、納税したことを証明する書類がなければ車検を受けられません。自動車購入時に発行される自動車損害賠償責任保険証明書も必要になるため、書類が揃っているか車検を受ける前にチェックしておきましょう。
万が一書類を紛失した場合は、書類ごとに再発行を依頼しましょう。車検証は運輸局・運輸支局で再発行できます。自賠責保険証は加入している保険会社に問い合わせると再発行してもらえます。自動車税の納付証明書も、車検証と印鑑を持って各自治体の税務担当課に行けば再発行可能です。
車検時に必要な書類に関しては、こちらの記事で紹介していますのでご覧ください。
「車検の必要書類や基本的な持ち物は5つ。準備はお早めに!」
5.10年使用した車の場合の車検頻度は変わる?
10年以上乗っているような年式が古い自動車でも車検の頻度は変わりません。ただし気をつけたいのは、自動車重量税や自動車税が上がることです。ディーゼル車の場合は11年目から増税に、ガソリン車の場合は13年目から自動車重量税や自動車税が上がります。
長く所有する自動車は税負担が増えてしまうため、年式が古い中古車を購入する際は、登録から何年経過しているのか調べておきましょう。
自動車重量税、自動車税に関する詳細は以下の記事でも解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
「車検時の重量税とは?税額一覧表と計算方法を紹介」
6.まとめ
自動車を安全に運転するためにも、定期的な車検を受けることは所有者の義務です。加えて、車検だけでなく日頃からメンテナンスを行うことで、車検時の負担を軽減したり、愛車の寿命を延ばすといった効果もあります。
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