車検の受け方を徹底解説!車検の検査ラインの流れは?
車検の検査ラインには想像以上に多くの検査項目があります。基準に達しない項目が一つでもあると車検には通りません。事前にどのような検査があるのか知っておくことが大切です。
そこで本記事では、車検を受けるまでの流れや検査ラインの流れを解説します。
1.車検の受け方・流れ
車検の見積もり依頼から車の引き取りまでの流れを解説します。
見積もり
車検の満了日2〜3ヵ月前に、まずは車検業者から見積もりを取りましょう。見積もりの依頼は、電話やメール・インターネットなどで可能です。以前にも車検を受けている場合は、車検業者からハガキやメールなどで通知されることもあります。通知には車検費用が記載されていることが多いので、その場合は見積もりの手間が省けますが、少し手間はかかっても相見積もりを取り、納得できる費用で依頼できる車検業者を選ぶと良いでしょう。
車検の見積もり額には修理や交換部品の費用は含まれていません。実際に車を点検してから修理や交換部品が必要かを判断するので、見積もり額よりも高くなる可能性があります。
以下の記事で、見積もりを取る方法や選び方について詳しく説明していますので、ぜひ併せてご一読ください。
「車検の見積もりをとるには?最適な時期・場所・費用、依頼先を選ぶポイント」
予約
見積もりを取ったら、次は車検をする日程を決めて予約します。予約は早くから受け付けていることが多く、なかには車検が終わった段階で2年後の車検の予約を受け付けている車検業者もあります。
ただし、車検満了日の1ヵ月よりも前に受けてしまうと次回の満了日が早くなってしまいます。例えば、車検の満了日が4月1日で、その1ヵ月前の3月1日に車検を受けた場合は、次回の満了日も4月1日ですが、2月15日に車検を受けた場合は、次回の満了日が早まり2月15日になってしまいますので、注意しましょう。
車検の予約の流れや必要書類については以下の記事で詳しく解説しています。
「【種類別】車検予約の流れと必要な書類、注意点を解説」
書類の用意
予約が完了したら、早めに車検当日の必要書類を揃えておきましょう。車検を受ける際の必要書類は以下のとおりです。
自動車検査証(車検証)
自動車検査証(車検証)とは、自動車の登録番号や車名・種別などの情報が記載されている証明書です。自動車検査証(車検証)は自動車内での保管が義務づけられているので、通常はダッシュボード内などに置いてあります。もしも紛失してしまった場合は、運輸支局または軽自動車検査協会で再発行が必要です。平日しか受け付けていないので注意しましょう。
なお、車検業者に依頼して自動車検査証(車検証)を再発行することも可能です。その場合は運輸支局に支払う手数料のほか、車検業者に支払う手数料が発生します。平日の都合がつかないのであれば、車検業者に再発行を依頼しましょう。
自動車損害賠償責任保険証明書
自賠責保険はすべての自動車に加入が義務付けられている強制保険です。そのため、自賠責保険の加入を証明する自動車損害賠償責任保険証明書を持っていないと車検を受けられません。
自動車損害賠償責任保険証明書も自動車検査証(車検証)と同じように、車での保管が義務付けられています。不携帯で運転してしまった場合は30万円以下の罰金が科せられます。
自賠責保険の詳細については以下の記事で解説していますので、ぜひ併せてご一読ください。
「車検時に自賠責保険が必要な理由とは?保険の期間・なくした場合についても紹介」
自動車税(種別割)納税証明書
自動車税(種別割)納税証明書とは、自動車税を支払ったことを証明する書類です。車検は自動車税を支払っていないと受けられません。通常は納付書が郵送で届き、その納付書を使ってコンビニなどで支払いをすると領収印が押されます。しかし最近ではインターネット経由での支払いも増えているため、一定条件を満たせば自動車税(種別割)納税証明書の提示は不要となります。提示が不要となる条件は以下のとおりです。
- 条件1:自動車税を滞納していない
- 条件2:自動車税を支払い後10日以上経っている
- 条件3:普通自動車である(軽自動車は必ず提示が必要)
ただし、システムの整備が遅れているなどの理由で、自動車税(種別割)納税証明書の提示が必要という自治体もあります。条件に当てはまっていたとしても、念のため自動車税(種別割)納税証明書は持っていたほうが良いでしょう。
納税証明書の詳細については以下の記事でも解説していますので、ぜひご覧ください。
「車検には自動車納税証明書が必要!提示不要な条件や紛失時の再発行のやり方を解説」
また、車検に必要な書類については、以下の記事でも詳しく解説していますので併せてご参考ください。
「車検の必要書類や基本的な持ち物は5つ。準備はお早めに!」
車の持ち込み
車検当日になったら自分で車を運転して車検業者へ持ち込みます。車検に数日かかる車検業者であれば、車検が完了するまで車を預けることになります。車検業者によってはその間、代車を借りることができます。
車検に出すのが遅くなり満了日が過ぎてしまった場合は、自分で運転してはいけません。車検が切れた車で公道を走ると6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。さらに6点の違反点数が加算され、30日間の免許停止となります。車検業者によっては車を積載車で引き取りに来てくれることもありますので、車検切れの場合は相談してみましょう。
車検業者が引き取りに対応していないのであれば、市区町村に申請をして仮ナンバーを取得します。仮ナンバーとは、車検が切れた車を車検場に持ち込むためなどに使用できる一時的な運行許可です。事前に申請したルート以外を走行することはできません。
車の引き取り
車検が完了したら、車検の結果や修理した箇所などの説明を受けて、車を引き取ります。近いうちに消耗品の交換が発生しそうな箇所や点検で気になった点なども説明してくれる場合もあります。
車の引き取り方は以下の記事でも解説していますので、併せてご覧ください。
「車検に出す車を取りに来てもらうことはできる?かかる費用や引き取り納車について解説」
2.車検の検査ラインの流れ
車検の主な検査ラインの流れを解説します。
外観検査
車両が車検の検査ラインに入ると、まずは同一性の確認と外観検査を実施します。検査項目は以下のとおりです。
同一性の確認
自動車検査証(車検証)の記載と同一の車が持ち込まれているか、車台番号や車両の形状などを確認します。
ヘッドライトやウィンカーなどの灯火類
灯火類は、車の走行の安全性だけでなく周囲の歩行者やドライバーなどに車の存在を知らせるためのものでもあります。灯火類が適切でないと安全性に大きく関わるので、厳密な保安基準が定められています。例えば、ヘッドライトには色温度は3,500〜6,000K程度、左右対称に取り付けられている、ハイビームは100m先を確認できることなどの規定があります。灯火類をカスタムしている方は、保安基準に合致しているか事前に確認したほうが良いでしょう。また、経年劣化でレンズが曇っている場合も車検に通らないことがあります。
ワイパー
ワイパー検査では、ゴムが劣化や損傷をしていないか、ウォッシャー液が十分に噴射されるかなどを検査員が目視と音で確認します。ワイパーは簡単に確認できる項目なので事前に点検しておくと良いでしょう。
ワイパーの車検項目の詳細については、以下の記事でも解説しています。
「ワイパーの車検での検査項目は?交換時期や費用目安を解説」
マフラー
マフラーは、エンジンからガスが排出される際の音を抑えたり、有害物質を除去したりするための部品です。車好きの方はマフラーをカスタムすることが多いので、基準を満たしているか注意しましょう。
車検の際は、マフラーの取り付け位置だけでなく排気音の大きさや有害物質を除去するための触媒の有無もチェックされます。マフラーをカスタムするのであれば純正品もしくは車検対応品を選びましょう。
マフラーの車検基準については、以下の記事で詳細に解説しています。
「車検に合格するマフラーの基準とは?音量や取り付け位置について解説」
ドライブシャフトブーツ
ドライブシャフトブーツは、エンジンとタイヤをつなぐドライブシャフトを保護するためのゴム製の部品です。
ドライブシャフトブーツが劣化してひび割れが発生すると、内部にホコリや水が浸入しジョイント部の動きが悪くなってしまいます。そのため、亀裂が入っていると車検に通らない可能性があります。その他、ステアリングを保護するステアリングラックブーツも同様に亀裂や劣化がないかを検査します。
サイドスリップ検査
サイドスリップ検査は、ハンドルをまっすぐに保持した状態で左右にどれだけずれるかをチェックします。道路運送車両の保安基準の細目を定める告示で定められている基準では、走行1mにつき5mmを超えると不合格になってしまいます。
運輸支局でユーザー車検をする場合は、サイドスリップ検査時に自分で運転をします。検査時はまっすぐに進入し、ハンドル操作をしないように心がけましょう。検査に落ちてしまった場合は整備工場などで調整をする必要があります。
スピードメーター検査
スピードメーターの検査は、ローラー型の測定器の上で車を走らせ、スピードメーターが40kmになるようにアクセルを踏みます。その後、アクセルを離して自動的に車が停車したら検査完了です。許容される誤差は車の製造年により以下のように変化します。
- 平成19年1月1日以降に製造された車:30.90~42.55km/h
- 平成18年12月31日以前に製造された車:30.90~44.4km/h
ブレーキ検査
ブレーキにはフットブレーキとパーキングブレーキがありますが、どちらも不具合があると大事故につながる可能性があります。
ブレーキの検査では、ローラー型の測定器の上でフットブレーキを踏みこみ(パーキングブレーキはレバーを引き)、ローラーの回転を止めることでブレーキの制動力を検査します。検査時にはフットブレーキを思い切り踏み込み、最大限の力でブレーキをかけるのがコツです。
車検でのブレーキパットの基準の詳細については以下の記事で解説していますので、ぜひご参考ください。
「車検に合格するブレーキパッドの基準とは?交換目安や費用も解説」
排ガス検査
排ガス検査では、排気ガスの中に含まれる一酸化炭素(CO)と炭化水素(HC)の濃度を測定します。一般的なガソリン車の場合、それぞれの基準値は以下のとおりです。
- CO:1.0%
- HC:300ppm
排ガス検査をするには測定器が必要なので自分で行うのは難しいですが、基準を満たさない場合には、エンジンからの異音や排ガスの臭い、マフラーからの白煙などの前兆があります。
排ガス検査に通過しなかった場合は、エンジンを添加させるためのスパークプラグの交換やガソリン添加剤を使うと数値が改善することがあります。ただし、原因を特定するのはプロでないと難しいので、整備工場などに持ち込んだほうが良いでしょう。
下廻り検査
下廻り検査では、検査台に載せて車両下部の点検を行います。具体的には、ボルトのゆるみがないか、油類の漏れはないか、ハンドルのがたつきはないかなどのチェックです。普段は車の下廻りを見る機会がないので、下廻り検査では思わぬ不具合が発見されることがあります。
この下廻り検査が最終工程で、すべての検査をクリアすれば車検は終了です。
3.スムーズに車検を受けるためのコツ
車検に落ちてしまうと、整備や再検査などの手間がかかります。車検をスムーズに受けるためのコツとして、車検業者に依頼することが挙げられるでしょう。
ここまで解説したように、車検の検査項目は数が多く、専用の設備がないと検査できない項目もあります。そのため、運輸支局に持ち込むユーザー車検ではたしかに費用を抑えられますが、プロによる点検整備がないので車検に通らない可能性が高くなります。
車検に通らないと整備工場に持ち込み不具合箇所を修理してから再度運輸支局でユーザー車検を受けることになりますので、その手間をかけるなら最初から車検業者に依頼すれば良かったと感じる方も多いでしょう。車検をスムーズにするのであれば、ユーザー車検は避けたほうが賢明です。
4.まとめ
車検は、見積もり→予約→必要書類の準備→車の持ち込み→車検→車の引き取りという流れで進んでいきます。運輸支局へ自分で車を持ち込むユーザー車検は費用を抑えられますが、車検に通らないと二度手間になるうえ、平日の日中に車検を受ける時間が必要です。手間を少なくするのであれば車検業者に依頼しましょう。
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